川崎「丸大ホール」味もコスパも満点。酒場食堂の雄だ。


20年ほど前に鶴見に住む友人と「丸大ホール」を初訪問して、したたかに飲んだ。実にいい店だった。知人のIさんが大手広告代理店を退職して、小料理屋を開くとの話。接客などを学ぶために「丸大ホール」で働き始めたと聞かされ驚いた。あれから6年の月日が流れた。

久しぶりに飲み友と「丸大ホール」を開店10時前に訪れると、すでに5人の客待ち。しばらくすると扉が開き2間はある大きな暖簾を掛け始めた。

「お待たせしましたどうぞ」

その掛け声の主はIさんだった。すっかり食堂のオヤジさん風に変貌していた。

「久しぶりです」

「いや~ホント久しぶり、ゆっくりしてってね」

店内は6人テーブルが6卓。奥の座敷は4人、6人席が各1卓のスペース。

「ホッピーとカレーライス、煮込み、酢鶏お願いします」

午前中から酒を飲むのはちょい後ろめたい感じだけど、これ快感だな。

まずは煮込みの到着。

サッパリとしながらコクがありモツが実に柔らかだ。これホッピーにピッタリだ。

時計を見ると10時半、店内はほぼ満席、すごい繁盛ぶりだな。

そば、うどん、ラーメン、丼、中華、洋食、刺身、焼き煮魚と、思いつくメニューはなんでもある。そしてすべてが格安だ。

独り者、カップルなど、酎ハイや生ビールを片手に談笑するか、新聞やテレビを見ながらくつろいでいる。この雰囲気大好きだ。

そして待望の「カレーライス」500円の登場。昔と値段は変わらない。

「うまそ~ですね」

「これ手作りですよ」

食堂や蕎麦屋で見かけるライトイエローに佇む郷愁のカレーライスという絵姿。一口頬張ると相変わらずいい味わい。

「これ美味しいですね」

と飲み友。微かな辛味、穏やかなスパイス感、ほどよい旨味。具だくさんでトロミ加減もいい、このカレーライス穏やかに美味しい。忘れた頃に無性に恋しくなる味わいだ。「カレーの具」350円もあるので、カレー単体を楽しみたい人はこれがいいね。

そして「酢鶏」550円はいわゆる中華の酢豚の鶏バージョン。

酸味、甘味のバランス見事で、玉ネギなどシャキっとして何よりも熱々の鶏が旨い。

「この店が近所にあったら週一で通うな」

飲み友は「丸大ホール」初訪問で、痛く気に入ってくれたようで何よりだ。

ところで人のことは言えないけど、みんなこんな時間から飲んでいる人たちは一体何を仕事をしているのかふと考えてしまった。夜勤明けで訪れた風情でもなく、ご隠居はちらほらいるが、リタイヤ組でもない。プロファイルが難しい客層だ。前に来たときはボクの事を知っている客がいて驚いたけど、飲み屋放浪の旅人もいるんだろうな。

店舗データ〉

【住所】神奈川県川崎市川崎区駅前本町14–5 電話044–222–7204

【営業】10時~21時

【休日】土曜

【アクセス】京浜急行本線「京急川崎駅」中央口から徒歩2分 JR東海道本線・京浜東北線・南武線「川崎駅」東口から徒歩4分


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