【小野ちゃん 最後の本】
小野員裕が急に亡くなって、数ヶ月が経った先週、私の自宅に一冊の本が届きました。
「小野ちゃんの最後の本です」と、彼と30年以上一緒に暮らしていたパートナーが送ってくれたのです。
その本は『小野員裕の 鳥肌が立つほど いい店、旨い店』
表紙の笑顔はまるで生きているようです。
彼の生前に、次の本の企画を一緒に練っていた編集の方が、小野ちゃんブログや彼の著書を調べて、「小野ちゃんが愛した店」を編集の方の視点でセレクトして、一冊の本に仕上げたそうです。
表紙の彼の笑顔を見ながら、私は彼と出会った若い頃を思い出していました。
彼と私は、出版社時代の同期の仲。出会った頃は二人とも20代です。
本当は二人とも編集の仕事を希望していたのに、私も彼もなぜだか外回りの営業をさせられていました。だから、私たちはたまに、営業の仕事をさぼり外で待ち合わせて、小野ちゃんが薦めてくれる「カレー屋」「ラーメン屋」「町中華」を食べ歩きました。
その頃から、べらんめえ調の彼の食ガイドは健在でした。
「どうだ、うめ〜だろ!」 「ここのカレーの凄いところはよ、・・・」
「うんうん、これはよく出来てるぜ」
割と無口に黙々と食べる彼ですが、きっと心の中で「うわ〜、鳥肌が立つほど旨いぜ」と叫んでいたのかもしれません。
やがて、彼の著書でこの「鳥肌が立つほど」は名フレーズとなり、レトルトカレーのネーミングにも使われるようになっていきました。
「言葉はべらんめえ調だが中身はどこか繊細」・・そんな彼は生前に、毎朝、美味しい店を探して、いろんな町の、いろんな路地裏に入って行きました。その数はのべ3,600軒以上になったそうです。
きっと天国に行っても、彼のことだから、天国の路地裏を散策し、食べ歩きを続けていることでしょう。彼の最後の本の表紙のように、にっこりと笑いながら・・・。
ファンの皆様へ、彼との美味しい思い出をご共有いただければ幸いです。
2024年10月20日
小野員裕ブログの管理人Nより
『小野員裕の 鳥肌が立つほど いい店、旨い店』
著者:小野員裕
出版社 : 八重洲出版 (2024/10/15)
発売日 : 2024/10/15
現在、アマゾンや八重洲出版オンラインショップなどで購入できます。
https://yaesu-shop.jp/?pid=182984377