五反田「品川うお宿」偽りのない昭和の大衆酒場。


仕事の打ち上げで飲み会をやろうと男3人、15時に五反田に集合した。「どこがいいかな。いずれにしてもまだ早いから限られた店しかやってないと思うけど」

と東口界隈の歓楽街を20分ほどさまよう。

「ここいいんじゃない」

目に留まったのが「品川うお宿」という酒場。

「なんか味わいあるな~」

城東界隈にある昔ながらの大衆酒場と言った風情に、引き寄せられるように入店した。

「いらっしゃいませ。ことらどうぞ」

外観同様、店内も古の酒場といった造りで、コの字のカウンターやテーブル席にも味わいがある。メニューは短冊や白板の手書きメニューもいかしているね。

「この店開店してどのくらいですか」

「7年ほどになりますね」

「4、50年やってる感じに見えますね」

「そうですね」

と気のいい店員さん。客層は1人者の若い男女、中年のカップルやご隠居の3人連れなど。

「赤星が置いてあるわ。いいね」

いわゆるサッポロのラガービールだ。

ここ最近、商業施設やターミナル駅周辺に、昭和をモチーフに装飾した居酒屋が点在するが、すぐにメッキが剝がれるような安っぽい店ばかり。ここは紛れもなく昭和然とした酒場で、ずっしりと地に根を張った風情がある。改めてメニューを確認する。

「ホタテのなめろうとか白子のバター焼きなんて聞いたことないな」

季節柄白子の入荷はなく、ホタテのなめろうと刺身の三種盛りをオーダーした。

そして「品川ボール」はいわゆる城東でよく見かける下町ハイボールのようなもので、キンキンに冷えたグラスとウイスキーが運ばれ、店員さんがその場でブレンドしてくれるのだが、ウイスキーがほぼトリプルで注がれ、これがメチャ強いのだ。

また新潟魚沼の「鶴齢」の各種日本酒が勢ぞろい。このセンスが素晴らしい。そして純米酒オーダー。

刺し盛りはブリ、マダイ、ヒラメ実に新鮮で日本酒にピッタリだ。

またホタテのなめろうも乙な味わいで酒飲みにはたまらない。

「つぎスパークリングワイン飲もうかな」

「ガラにもないスパークリングワインなんて」

「いやパテドカンパーニュなんてメニューがあるからつい」

冷やされたテドカンパーニュは舌触りでねっとりとして旨い。

その他、春菊と白魚の天ぷら。これもいかしている。

しかしこの酒場はなにもかも大衆酒場に徹底している。店の姿かたちは違うけど船橋の「増やま」に通じるものがある。すっかり気に入ってしまった。また来よう。

ちなみに表、裏通りに入口が2つあるのも面白い。

〈店舗データ〉

【住所】東京都品川区東五反田1-18-5山口ビル ライオンズマンション東五反田1階 電話03-6450-4009

【営業】16時~12時30分 土・日・祝日14時~ 12時30分

【休日】無休

【アクセス】JR山手線・都営浅草線「五反田駅」東口から徒歩5分


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