下北沢は学生の頃過ごした街だけど、当時通っていた店は全部なくなっている。
20歳の頃、ボクはバンドのボーカルをやっていて、都内のライブハウスで「川崎ブルージーナイト」というブラスロックバンドによく遭遇し、そのボーカルにすっかり魅了されてしまった。ある日バイトを終えて、いつものように下北南口のパチンコ屋「みなみ」で興じていると、島の並びに「川崎ブルーシーナイト」のボーカルと出会ってオドオドしてしまった。彼はコック服姿で、おそらくバイトの休憩に立ち寄ったのだろう。なんとか話しかけたいけど、タイミングが悪く「スーパー7」が大当たり、動くに動けない。しばらくすると店を出て行ってしまった。間もなくフィーバーが終了して、慌てて表に出たけど、彼の姿はなかった。下北のどこかの店にいるんだろうと、方々の店を探したが、結局見つからなかった。この駅に来る度にそれを思い出す。彼は確か、専修大学の学生だったと思う。
カレー専門店の「般゜若」はご存度の通り、タレントの松尾貴史さんの店で、大阪の福島にも支店があるけど行ったことがない。ここで働いていた方が経営する心斎橋の「渡邊カリー」にはお邪魔しているんだけど。
旧店舗は静かな住宅街にあり、昨年の11月頃にこの場所に移転してきて初めての訪問。
※賄いカレーは何を食べていたのかな?
早い時間に着いたので、斜向かいのカフェでコーヒーを飲んでいたら、従業員の方が店先にテーブルを出して、開店前の賄いカレーを食べ始めた。その後開店。店内は券売機を設置。
「チキンとキーマのカレー」1350円を購入。店内はカウンター3席に、2人デーブル2卓、4人テーブル1卓に6人テーブル1卓と前の店より広くなった。
「パクチー大丈夫ですか?」
「はい」
6分ほどで「チキンとキーマのカレー」の登場。ターメリックライスの上にサラダ、パクチー、トマトチャトニ。ドライタイプのキーマに、サラサラのチキンカレー。食欲をそそる美しいデコレーションだ。
チキンはバランスのいいスパイス感、サラサラながら深い旨味、まったくスキのない美味しさだ。
キーマは挽肉の木目が細かく、舌触りがよく少量でもライスの淡白さを補う存在感がある。相変わらずのメチャ旨。
最近スパイスカレーが流行っていて、色々なアチャール、カレーを混ぜ合わせて食べるスタイル。だけどそのほとんどの店で単体のカレーで勝負出来る味わいじゃないんだよね。ここのカレーはレベルが違うね。
帰りにこの店の看板お嬢、カレー研究家の一条もんこさんのレトルト「あしたのカレー」を購入しました。まだ食べてないので、後日。
〈店舗データ〉
【住所】東京都世田谷区北沢2–33–6スズキビル1階 電話03–3485–4548
【営業】11時30分~16時 17時30分~22時
【休日】水
【アクセス】小田急線・京王井之頭線「下北沢駅」北口から徒歩2分