「家族でいつも行ってる餃子屋さんがあってね、すごく美味しいのよ、小野君も行ってみて」
江戸川区葛西にある「独一処餃子」を知ったのは、中学時代の同窓会の席で、昔好きだった彼女からの口コミだった。十数年前のこと。
餃子はおよそ20種類。片っ端から一通り食べたが、どれも実に旨い。お勧めはスタンタードに「焼き餃子定食」580円、焼き餃子6個とスープ、ザーサイ、冷奴にご飯がついてリーズナブル。
注文を受けてから一つ一つを皮から手作り、具は白菜と豚ひき肉、調味料だけとシンプル。
噛みしめるとカリっとモチっと、そしてしっとり。肉汁がほどよくしたたり、旨味充実、メチャメチャ美味しいのだ。その他、ニラ水餃子もおすすめだ。
店名の「独一処」とは、唯一無二または無双という意味だそうだ。
店主の門脇朋弘さんはハルピンのご出身、中国の北方地域は餃子のふるさとである。
「ハルピンですか? そういえば堀切菖蒲園に『ハルピン餃子』っていう店あるんですよ」
「ああ、あの店は僕の姉夫婦が経営してるんですよ」
「ええ、そうなんですか!」
世間は狭い。そういわれれば西脇さんと堀切の女将さんの顔がよく似ているのに気付かされた。
昼時は近所のサラリーマンでごった返し、夜は家族連れ、噂を聞きつけて遠方からの来客で常に賑わっている。餃子以外にエビマヨや揚げナス、空芯菜や豆苗の炒め物もおすすめだ。少々遠方だけど、ぜひ絶品の餃子を堪能してもらいたい。