中華料理の「飛鳥」を訪ねたけど、定休日だった。
「どうしようかな…」
と飛鳥の並びにある定食屋「ブラジル食堂」が目に留まる。この食堂を初めて訪れたのは20数年前になるかな。確かお袋と2人だったと思う。記憶が確かじゃないけど、ブラジルからの引揚者だったような。天ぷらとハムエッグを食べた覚えがある。
店内は煮〆っている。カウンター6席に、2人、4人テーブルが各1卓。
カウンターの上には作り置きされた料理各種がショーケースの中に納まっている。今どき珍しい光景で、この手の定食屋は横浜や月島辺りにあったけど今は見かけない。現存する店としては新木場駅にある「新木場食堂」ぐらいじゃないかな。
70半ばのお母さんと40過ぎの息子さん? 2人で切り盛り。ショーケースの中を物色して、
「ハンバーグとナムル。ご飯と味噌汁付けてください。あっそれと目玉焼き1個お願いします」
誰もがブラジル食堂という響きに、異国感を期待するだろうか、そんな気配は全くなく、純潔の日本食堂だ。商売っ気も感じられず、宝探しをするような顔がほころぶような場面もない。
暫くすると料理が並ぶ。
まずはナムルを一口。
「旨い」
塩気、酸味が丁度よくよく出来ている。
ハンバーグは冷凍していたものをフライパンで焼いていてもあまり期待していなかったが、適度にふっくらとして、下味かしっかり入り実に美味。これケチャップを付けるとさらに美味しさ倍増。
野菜も適度に豊富で、ワカメと豆腐の味噌汁も美味しかった。これで660円は安いね。
たぶん煮魚や煮物も美味しいはず。ただご飯を食べるだけの空間に終始していて、どこかワクワクさせてくれる空気感があったらいいな、と思った。友人と連れだってお酒を飲むのもいいと思う。
〈店舗データ〉
【住所】東京都板橋区徳丸1–55–4 03–3559–4552
【営業】10時~20時
【休日】不定休
【アクセス】東武東上線「東武練馬駅」北口から徒歩5分