両国の「国技館」向かい「両国リバーセンター」から出航している船で、隅田川を浅草経由で戻ってくる遊覧船で30分ほどの船に揺られ楽しむ。
デッキで風に吹かれていると「橋が低いので表にいる方は気を付けてください」とアナウンス。船員さんがデッキに上がってきて「みなさんしゃがんで下さい」と。
ホントに立っていたら頭がぶつかりそうな低さに驚いた。夜景抜群が抜群に素晴らしい。たまにはいいもんだな~。
下船してプラプラと予約を入れておいた馬喰町「伊勢重」を訪問した。
京都の「モリタ屋」と並び明治2年創業の日本一の老舗すき焼き屋だ。
個室に通されキリンラガーで喉を潤す。
突き出しは牛肉の佃煮、小田原カマボコ、厚焼き玉子、なます。
エビとチーズのはさみ揚げ。
日本酒に切り替えて、待望のすき焼きの登場となる。
野菜類は春菊、長ネギ、焼き豆腐、極細のシラタキ。
そしてほどよくサシの入った色鮮やかな牛肉。これ職人が包丁で薄切りにしているそうだ。
中井さんが卵を溶いてくれて、鍋に割り下を入れ牛肉をくぐらせる。ほどよいところで卵にくぐらせてくれる。
「どうぞお召し上がりください」
「旨い!」
牛肉の美味しさはもちろんのこと、割り下がほとんど甘くなくて素晴らしい。方々のすき焼き屋で食事をしたけど、砂糖やザラメが多すぎて途中で萎えてしまう。そんな時はダシをたくさん入れて薄め、醤油を増量して食べていた。これはちょうどいい加減だ。
「美味しいですね。ところでこの鍋初めて見ました」
「これは創業当時からある水火鉢と言いまして、現在はどこも作ってなくて、修理しながら使ってるんですよ」
木製の枠に銅製の器に水が張られ、その中に鼎で支えられた火鉢。ゆらゆらとした炭火は鍋の中を緩やかに温めてくれるので、ガスコンロなどと違い、あわただしく食べないで気分が落ち着く。
そしてネギもメチャメチャ柔らかで、高級店定番の皇室御用達の極細のシラタキは割り下をほどよく吸ってくれてこれもいい。さらに柔らかな焼き豆腐がこの上なく美味。いままで食べた焼き豆腐とはまるで別物。すべてが完璧だ。
〆は細うどん。
このすき焼きに比肩する店に出合ったことがない。ごちそうさまでした。
帰り東京駅で下車して、ライトアップされた大手町の街並みを見物して帰路についた。
〈店舗データ〉
【住所】東京都日本橋人形町14-9 電話03-3663-7841
【営業】11時~16時 16時30分~21時
【休日】日・祝
【アクセス】JR総武本線「馬喰町」から徒歩2分 東京メトロ「日比谷線「小伝馬町駅」1番出口から徒歩2分 都営新宿線「馬喰横山」A2出口から徒歩4分