大久保駅北口から南口に抜ける高架横の側道は、牛すじカレーの「小さなカレーの家」や大衆割烹「瀧元」へ向かう時にいつも通る道だ。
ある日、その通りにある「串市場ん」という居酒屋の暖簾が「カリーザハードコア」に変わっていた。表に「ハードコアカレー」と「シュワルツめし」と奇妙なネーミングのメニューが掲げられ気になっていた。
店内は右手にL字のカウンター10席に、2人席が2卓。紛れもなく居酒屋のしつらえだ。
ご主人は顔の濃い方でどこか異国の風情だが日本人のようだ。
「ハードコアカレー」はハンバーグ5個、チキンドラム2本、ご飯250g。ハンバーグ5個ってなんだろ、かなりのボリュームが想像されるので、「ノーマル」のハンバーグ3個、ご飯250gをオーダーした。せっかくなので、チキンドラム1本も追加した。
「今日はニンニクがサービスなので、入れますか?」
「お願いします」
「はいお待ちどうさまです。そのシュマルツを溶かしながら食べてください」
左はじが焙煎玉ねぎ。ライスの上にフライドオニオン。右はじがキャベツの酢漬け。その下に肉団子、ようはこれがハンバーグのようだ。中央にあるのがシュマルツ、ドイツ料理に使われるラードのようなもので、豚の脂やガチョウの脂を生成して作ったもののようだ。そしてチキンの手羽元という絵姿。カレーを一口。
「旨い!」
複雑な旨味で、サラサラ。粒山椒が効いていて実に旨い。
ハンバーグもほどよい歯触り、チキンも柔らかだ。
シュマルツを溶かしながらいただくと、さらに深みが増す。あまり経験したことのない味わい。カレーというよりは、ちょいスパイシーで美味しい煮込みスープといった感じなのだ。
あっという間に完食。
「美味しかったです。ご馳走様でした」
再訪してもう少しこのカレーの分析をしなければ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都新宿区百人町1-20-16 橋本ビル1階
【営業】11時45分~14時 日18時~21時
【休日】月・火
【アクセス】JR総武線「大久保駅」北口から徒歩2分