「いい居酒屋が出来たんだけど、小野ちゃん一緒に行こうよ」
と堀切菖蒲園に住む飲み友のアイちゃんからの連絡。
「それも小野ちゃんが好きそうなカレーがあるのよ」
さっそく堀切菖蒲園駅改札で18時半に待ち合わせをした。線路の脇道を「お花茶屋」方面へ。住宅街の中に瀟洒に佇む外観。店内はコの字カウンター10席。
「いらっしゃい。お友達?」
「そうなの。カレーも食べに来たよ」
気のいいご夫婦で切り盛り。旦那さんは矢沢永吉の熱狂的ファンのようで、いたるところにポスターが張られ、可愛い小物が散りばめられている。
まずは生ビールと下町名物ボール(ハイボール)でカンパイ。
「このボール完璧なのよ。ちょっと飲んでみる」
「あっ、これいいね」
メニューを眺めると、つまみはどれも300円と破格だ。それも200円のメニューまだある。
「こんなに安いのか」
「そうなのよ」
まずは「ニラ饅頭」と「白身魚フライ」。当然どれも手作り。これ旨いね。
この日は3人の家族連れと地元の旦那衆が集っていた。偏見だけど、土地柄もう少し強面のお客さんがいるのかなと思っていたけど、どの方も穏やかで、また店のご夫婦が明るくて非常に和める酒場だ。
ボクもボールに切り替える。
そして「やまさん焼き」、これどこかチヂミに似ているね。
それと「山芋の千切り」でしばし談笑。
「それじゃ幸せの黄色いカレーお願いします」
幸せの黄色いカレーとはいいフレーズ。高倉健主演の『幸せの黄色いハンカチ』がモチーフだろうか。
「はいどうぞ。幸せの黄色いカレー」
おお! 鮮やかなイエローを発色していて美しいね。具は薄切りの豚肉に大き目にカットされた玉ネギ。
まずは一口。仄かな甘味と深い旨味。それでいて軽やかな口当たり。トロミ加減も丁度いい。
「小野ちゃんどう?」
「美味しいね」
「良かった気に入ってもらって」
と店主満面の笑み。
これ300円はサービス価格だ。毎日食えるな。
お店の開店は2022年8月で、まだ日が浅いけど、すでに堀切菖蒲園にどっしり根を張った老舗感が漂っている。メニューが安すぎてちょい心配。ちょい遠いけど、ちょくちょく寄らしてもらおうかな。
〈店舗データ〉
【住所】葛飾区堀切3-15-3 080-2052-5500
【営業】16時~21時 土16時~23時
【休日】日
【アクセス】京成本線「堀切菖蒲園駅」から徒歩4分