「荒木町の『番狂せ』でビリヤニやるんですけど来ませんか」
と、飲み友のヤギちゃんからのメール。彼のインスタにこの店のインドカレーが載っていて前々から気になっていた。
四谷三丁目駅から新宿通りを四谷方面へ。「杉大門通り」を過ぎた「力車門通り」を入って最初の筋を右折すると右手に「アートスナック番狂わせ」が現れる。ヤギちゃんより早く到着。
「いらつしゃい。どうぞ」
店内はカウンター7席ほど、2人のテーブル席が1卓といったスペース。想像していたより狭かった。とりあえずビールで喉を潤し、ジャスミン割に切り替える。
カウンターには2人の女性、先客が男性2人。彼らの話に耳を傾ける。どうやら単館系の映画の話で盛り上がっていた。
「お客さん初めてですか」
「そうです。ヤギちゃんに誘われて」
「あら彼のお友達ですか。それはそれは」
暫くするとヤギちゃんの登場、彼はいきなり日本酒、乾杯した。
この店は曜日で女性スタッフが入れ替わるようで、本日は江戸川ずるこさんという方が担当。寸胴でビリヤニを仕込んでいる最中。
「もうちょっとなんだけど、今日あまり出来が良くないかも」
と心配気。30分ほどで出来あがり。今日のビリヤニは「ベジタブルビリヤニ」、「甘辛チキン65」、「ジンジャーライタ」、「レンズ豆のスープ」1000円だ。
ビリヤニにはインゲン、人参、ブロッコリーに加え珍しく生のカレーリーフが入っている。
※ちょいピントが外れてスマン。
「そのカレーリーフ、家で栽培しているものなの」
とずるこさん。一口いただくと炊き具合も丁度よく、穏やかなスパイス感、軽やかな旨味、そして塩気がドンピシャ。
「これ美味しい」
「ありがとうございます」
レンズ豆のスープも上出来。甘辛チキン65は嫌味のない甘口でスパイシー、これも非常に旨い。
これどこかタンドリーチキンにも似た味わいだ。ジンジャーライタもいい塩梅だ。
ずるこさんに伺うと料理は独学、方々の店を食べ歩いているようで、やはり食いしん坊は美味しい料理を作るものだ。
「前にやった南インド料理やタイ料理も美味しかったんですよ」
とヤギちゃん。なるほど彼女はセンス抜群だ。
「最近〇〇〇のカレー食べたんですけど、なんかピントがはずれてるみたいで」
とずるこさん。
「その通り、最近ボヤけた味だなってオレも思ってたんだよね」
ボクと全くの同意見。暫くすると彼女のビリヤニを求めて客が押し寄せる。この味わいなら頷ける。ホントに美味しかった。また来なくちゃ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都新宿区荒木町3番ソシアルアラキビル1階
【営業】12時~24時
【休日】日・土曜不定休
【アクセス】地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目駅」4番出口から徒歩4分。