善光寺は仏教が各宗派に分派される以前の古刹で、なんと1400年前に建立されたようだ。この日、天台宗、浄土宗の僧侶が集って、早朝6時半に本堂の内々陣で365日読経をあげるお朝事(おあさじ)に参加した。
本堂の内陣の左右には阿弥陀菩薩と地蔵菩薩に囲まれながら、厳かなひと時を過ごした。
すっかり体が冷えてしまい、仲見世で早朝に開いていた土産物屋で野沢菜のお焼きとコーヒーを飲み、一旦宿に戻り体を温め、再び善光寺へ。
本堂に向かって右手奥に「甘酒茶屋やよい」が気になっていた。炊事場には婆さんが2人。街道にある江戸時代の茶屋のような風情に心惹かれた。
メニューは甘酒、トコロテン、あんみつ、おでん、オレンジ、コーラ、サイダー、ラムネとなっている。
「甘酒とトコロテンください」
「は~い800円ね」
甘酒の器は湯呑ではなく、茶碗、これ味わいがある。そして一口。
「これ美味しいな~。飲んでみ」
「ホントだ美味しい」
福岡の「篠崎酒造」の甘酒を思い出す。そんな滅多に飲まないけど、いままで出合った茶屋で飲んだ中でダントツの旨さだ。
そしてトコロテンをチュルチュルと頬張る。
「これも旨い!」
醤油の加減よくほどよい酸味、バランスがバツグン。
足元の雑草のなかにポツンとツクシが顔を出していた。
行き交う観光客を眺めながら穏やかなひと時を過ごした。
〈店舗データ〉
【住所】長野県長野市長野元善町491善光寺境内
【営業】9時~17時
【休日】12月~3月休業
【アクセス】長野電鉄長野線「善光寺下駅2番出口から徒歩9分