またまた野暮用で茅ヶ崎に舞い降りる。小一時間ほどで用事を済ませ「横濱飯店」の前を通ると20人の行列。相変わらずの大人気。
目的の「みのり食堂」へ。前回一度お伺いしているのだが、女将さんが手首を骨折して休業していたので再訪問した。
「いらっしゃい」
店内は4人席が5卓。女将さんワンオペの対応。内装は古臭く味わいがあり、清掃が行き届いている。
メニューは15種類ほどと少な目。
「ラーメンと五目そばと炒飯お願いします」
「は~いちょっと待っててね」
女将さんは厨房に消えて調理。客はずっと我々だけだった。料理がすべて出来上がったので、高齢な女将さんの足が悪そうなので取りに行った。
「ありがとうね」
まずはラーメンスープを一口。
「美味しいね」
やや塩気は抑え気味ながらしっかりとしたスープの旨味が感じられる。
「美味しいですね」
「ありがとう。ちゃんとスープ作っているから」
ガラに煮干しや昆布で沸騰させずにゆっくり旨味を抽出しているそうだ。
中細のやや縮れ麺は滑らかで美味しいし、焼き豚もほどよく柔らかで下味がしっかり入っている。
五目そばは白菜、シイタケ、キクラゲ、玉子など具だくさん。
スープは軽やかな旨味でこれも美味しい。
炒飯はシットリ系で、塩気と旨味のバランスが良くメチャ旨!
食後、客も来ないので女将さんと世間話。店の歴史を何気なく聞いた。この店の創業は70年ほど。先代の父が和菓子屋を開いたそうなのだが、あまの芳しくなく居酒屋に業態変更して大繁盛し、本業の傍ら相場もやっていて、相場が芳しくないとお酒をやたら飲んで、それが原因で体を壊して他界したそうだ。
その後、現在の店へ姿を変えて彼女が継ぐことに。実はここの娘ではなく養女で、地元民ではなく浅草の生まれとか、どおりで言葉の節々に江戸弁が垣間見える。はじめは1人でやっていたがここも大繁盛、見かねた旦那さんが会社員を辞めて店を手伝ってくれたそうだが、10数年前に他界。現在は1人でこの店を切り盛り。88歳とは驚き、元気だね。
「また来てね」
と見送られた。
そのまま気になっていた魚屋へ行くと、ピカピカに輝く真けどメチャ美味しかった。
〈店舗データ〉
【住所】神奈川県茅ケ崎市元町3-24 電話0467-82-2993
【営業】11時30分~16時
【休日】月
【アクセス】JR各線「茅ヶ崎駅」北口から徒歩2分