浅草橋「ストーン」の焼きカレー


JR総武線「浅草橋駅」周辺は、人形やバッグ、ビーズ、アクセサリーなどの卸問屋が犇めく界隈。その東口から徒歩1分ほどに、焼きカレーを提供する「ストーン」がある。

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ブラウンの木彫で内装された店内は喫茶店といった趣で、椅子は小学生の低学年が座るような非常に低いものだけど、不思議に座りやすいのだ。 訪れる客の8割が注文する「焼きカレー」(ランチ800円 ディナー900円)は、玉ねぎ、ニンジンなどの野菜を中心に牛筋でこしらえたカレーソースだ。深めのグラタン皿にほどよく焦げ目のついたチーズ、具はソーセージとブロッコリーなど、熱々のカレーソースはトロトロ、仄かな甘味と、凝縮された旨味は食欲を加速する美味しさだ。 「夜はお酒を飲むお客さんが多いんですが、カレーソースをつまみにする常連さんがいて『ちょっと変わったカレーが食べたいな……』っていうのがきっかけで、うちの女房がなんでも焼いちゃう人なんですよ。それで『カレーをドリア風にして焼いたら美味しいかも?』っていうんでね、この焼きカレーが誕生したんですよ」 と店主の大島大氏。

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創業は20年ほと前、この店をやる以前はフランス、イタリア、和食、中華と、レストランを渡り歩いて、この店を開業したそうだ。 大島氏の言う通り、メニューを見ると「焼きスパゲティー」、「焼きロールキャベツ」など、確かに焼いたメニューが多く、これも奥さんの「なんでも焼いてしまう」精神が反映されているのだろう。 一般的に「焼きカレー」の元祖として知られているのは、北九州門司港にあった、とある喫茶店が発祥とされ、現在この地域に「焼きカレー」を提供する店は30数軒あるそうだ。しかし「ストーン」の「焼きカレー」は、あくまでも奥さんの焼いちゃう精神がもたらした創作料理、北九州とはなんの関係もない。 雑誌やテレビに取り上げられることが多く、ランチ時の7割は噂を聞きつけてきた女性で、その他は近隣の商店主、お年寄り、サラリーマンだ。 寒い時期にはもってこいの熱々料理、下町浅草橋の散策の折には、ぜひ「ストーン」の「焼きカレー」をいただこう、冷えた体の芯まで温めてくれる逸品だ。


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