この稼業、仕事がなければいつも休み。気楽に思えるが、3ヶ月全く仕事の依頼がない、なんてことがたまにあり、それは気がそぞろになる。
夏休みらしい休暇をとったことがなく、この日はお盆の真っ只中。思いつきで浅草橋に舞い降りるも、中華「水新菜館」、札幌ラーメン「天竜」もことごとく休みだった。酷暑のなか1時間ほど徘徊したがどうもピンとくる店がない。
「あれ、この蕎麦屋見たことなかったな~。鶏天そばか…、メチャメチャ旨そうだな…」
表のメニューが気に目が留まる。小奇麗な外観、こりゃ入るっきゃない。
券売機で「名物鶏天ぶっかけ蕎麦」850円を購入した。店内も清潔で、従業員は全員女性。カウンター6席に4人テーブルが3卓のスペース。
「いらっしゃいませ、温かい蕎麦か冷たい蕎麦、どちらにします」
「ぶっかけで」
「かしこまりました」
隣の客が食べているへぎ蕎麦に似たものが気になる。これも旨そうだな~。
3分ほどで鶏天ぶっかけ蕎麦の登場。ちょい大きめな鶏天が4つに、小さなかき揚げにナスと大葉の天ぷら。食欲をそそるビジュアルだ。蕎麦徳利にはほどよく冷やされた蕎麦ツユ。
最初からかかっていないのがいいね。
まずは鶏天をガブリ。下味が軽く入っていて熱々でジューシー、美味しいね。
好みでちょろちょろと蕎麦ツユを注ぎ、食らいつく。
「旨い!」
蕎麦の歯ざわり適度で、ほどよく細麺。合間にワサビを溶かしながらいただく。暑い中1時間も歩いていたので、このぶっかけそばは胃袋に優しいし、なおかつ旨い。
フィニッシュは卓上の蕎麦湯で割って、蕎麦ツユを飲み干す。
隣の客の蕎麦は「雪板蕎麦」で蕎麦の上に山ワサビ(ホースラディッシュ)が散らしてあるものだった。その他「自家製大判きつね蕎麦」や「南高梅蕎麦」も旨そうなんだな。また来なくちゃ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都台東区柳橋1–32–5 電話03–5846–9138
【営業】11時~16時
【休日】無休
【アクセス】地下鉄浅草線「浅草橋駅」A6出口から徒歩1分 JR総武線「浅草橋駅」東口から徒歩2分