オムライスは大した数の店をこなしてないけど、一通りの有名店にはお邪魔しているつもり。
この「ミュール」は元々目白にあり、14年前に『週刊朝日』巻末のグラビアで紹介したことがあった。それから間もなく姿を消してしまった。
ある日ブログの読者tamaさんから「目白にあったミュールは、有楽町線の氷川台で復活していますよ。オムライス、ハヤシライスも変わらぬ味です(^^)ご存知でしたらすみません」
とのメール、驚いてしまった。
氷川台にある氷川神社はボクが七五三の行事をしたほぼ地元。実家に帰るとき石神井川の正久保橋から江古田に抜ける裏通りをよく利用している。その通り沿いサミットストアーの斜向かいに移転していたのだ。
店内はシックにしてモダン。カウンター6席に4人テーブルが2卓に2人テーブルが1卓。前の店よりちょい狭くなったな。奥の厨房に見覚えのあるコック服のご主人、健在だ。
「オムライスください」
7分ほどで登場。昔と変わらない食欲をそそる美しい絵姿。オムライスは大雑把にフワトロとソリッドの形態に分かれると思う。ここはフワトロだ。
まずは一口。
「相変わらず旨い!」
フンワリとした玉子、ほどよい味付けのチキンライス、そして何よりもこのデミが抜群に旨い。軽やかな旨味とコク、微かな酸味はお見事。あっという間に完食してしまった。
「この店いつ開店したんですか」
コック服のホールの女性に訪ねた。この方ご主人の娘さんだったかな?
「1年ちょっと前ですよ」
「そうですか、実はボク『週刊朝日』で取材させてもらった小野です」
「あ~そうですか。あの記事今も保管してるんですよ」
伺えば目白を閉店したのはなんと大使館づきのコックとして10年ばかり海外に赴任していたそうなのだ。確か目白の店を始める前も大使館で働いていたことを思い出した。
「海外から帰ってきて、ここに開店させたんですよ」
とにかく腑に落ちた。流行っていたのに閉店するわけがないと思っていたからだ。
目出度し目出度し。そうそう毎月21日がカレーの日のようなので、気になる、ご主人が作るカレーは相当美味しいだろうな。それとハヤシライスとステーキも食べに来ないと。
〈店舗データ〉
【住所】東京都練馬区桜台3–15–9 電話03–6319–9690
【営業】11時30分~14時30分 17時30分~22時
【休日】火
【アクセス】有楽町線「氷川台駅」から徒歩4分