３０年ほど前、高田馬場界隈には数多くの寿司屋があったけど、そのほとんどがなくなってしまったしかし西早稲田界隈には昔ながらの寿司屋が所々に点在している。そのなかでも新宿区内ピカイチの寿司屋「安兵衛」がある。
「小野ちゃんどこかいい寿司屋知ってる？」と尋ねられるたびに、この「安兵衛」を紹介していた。その誰もがえらく気に入ってくれたようであった。ここを初めて訪れたのはおよそ３０年前。当時は現主人の父母で切り盛りされ、当時も賑わっていた。最近は人に紹介するばかりで、ずいぶんとお暇していた。思い出したように久しぶりに訪れた。
「あれ小野さん久しぶり」
現在は息子さん夫婦で切り盛りされ、この日かろうじて１席空いていたので入店できた。
まずは生ビールをオーダー。お通しは深い旨味の何かの豆腐。
「軽く刺し盛りお願い」
赤身、アオヤギ、タイ、シャコ。どれも新鮮でまたネタがいい。
途中熱燗に切り替える。昔はまったく見ることがなかった欧米系の客が目立つし、またその手の客がちらほらと訪ねてくるが満杯で入れず。いや～町の寿司屋もグローバルになったものだ。
「試しにニシンを酒盗で焼いてみたら美味しくてさ」
とご主人。
それをいただく。これメチャ美味しい。これは思いつかない調理法だ。
そして黄身の味噌漬けでヤシ休め。
小アユの天ぷらも文句なし。
コハダの〆具合も抜群。
イカも美味しいね。
この日はなかったが、高価な煮ハマグリの代わりに煮アサリがあるが、気が利いている。
「前はユリアゲの赤貝を置いてたけど、いま高くて手が出せないのよ」
とのこと。ユリアゲの赤貝はホントに旨かったんだよね。
そして〆は銚子産イワシの握り。脂が乗っていて最高の逸品だった。
〈店舗データ〉
【住所】東京都新宿区西早稲田２-１５-１０ 電話０３-３２０３-７４９４
【営業】火１７時～２２時 １２時～１３時３０分 １７時～２２時
【休日】月
【アクセス】東京メトロ副都心線「西早稲田駅」１番出口から徒歩６分 ＪＲ・私鉄・東京メトロ「高田馬場駅」早稲田口から徒歩１０分 東京メトロ東西線「早稲田駅」２番出口から徒歩１０分