先日常備薬をもらいにかかりつけの病院を訪ねた。前回行ったときに血液検査を行いその検査結果を聞かされた。
「小野さん中性脂肪が700ですよ。こりゃまずいな」
「え~!」
中性脂肪の基準値は30~149mg/dLだそうだ。
「このままだと糖尿病になりますよ。お酒はホントに控えなきゃ。今度来た時再検査しますから、それで同じ数値だったら服薬しないとね」
落ち込んだ。その日のランチは気を使って「大戸屋」のサバ焼き定食を五穀米に、グリーンサラダを添えた。途中薬局でDHEとEPAが混合されてサプリメントを買って帰った。
でもどうも納得がいかない。前に測った中性脂肪値は200弱だったはずなのに。
翌日の早朝、ネットで高脂血症の専門医を探しヒットしたのが日本橋の「Kクリニック」。
基本予約のようだが、前日の話をしたら診察してくれるとのこと。
診察室は雑誌や書籍など資料が所々にうずたかく積まれている。
「700ね。で小野さんはどんな仕事されてるの」
「食べ物の物書きで、毎日いろいろな店を外食してるんですよ。お酒も週5日ですかね」
「糖分の入ったお酒飲む?」
「いえ、焼酎のソーダ割とかもビール。日本酒も好きですが」
「大丈夫。良くないのがサワーとか糖分の入ったものはダメですね」
「ところで、前に200弱だったのにいきなり700なんて上がりますか」
「検査前日の食事にかなり影響されますね。すごい量の炭水化物を摂取したとか。まあうちに来る患者さんで1500なんて人いますから。とりあえず採血しないとなんとも言えない」
ということで採血して30分後に再び診察室に通される。
「小野さん。素晴らしい検査結果です。すべて範囲内。中性脂肪は138ですよ」
「ホントですか、良かった!」
「それもγGTPが14で糖尿病の数値も範囲内、よっぽど気を使ってますね」
一安心。浮かれ気分で病院を後にしてさっそく店を探す。目に留まったのが「割烹鶴の家」。
和食屋にありがちな色気のない店の造りだけど、OL、サラリーマンで賑わっている。
ランチメニューは11種類とかなり豊富。煮魚、唐揚げで悩んだが、結局天ぷらにした。
エビが2尾、インゲン、ナス、白身魚、サツマイモのラインナップ。玉子焼、壺漬け、シジミの赤ダシ、ご飯。
天ぷらの衣はやや柔く、サクっというよりはシットリとした舌触り。なにより天つゆが旨い。嫌味な甘さがなくスッキリ。玉子焼はダシ巻き風で、これも美味。シジミの赤ダシはちょい旨味が強いがこれもよし。またご飯がツヤツヤで実に旨い。
正直、誘われるような色気のある店じゃないけど、夜は近隣のサラリーマン、OLで賑わっているんじゃないかな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都中央区日本橋3-6-13日本橋井田ビル1階 電話03-3271-2020
【営業】11時30分~13時30分 17時~22時
【休日】土・日・祝
【アクセス】地下鉄銀座線・東西線「日本橋駅」B1出口から徒歩4分 JR各線・地下鉄各線「東京駅」八重洲中央口から徒歩6分