新宿「若月」のラーメン


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新宿西口から、大カードにつながる一帯に「思い出横丁」という、細い路地が入り組んだ飲食街がある。通称「しょんべん横丁」とも呼ばれ、その一角に「若月」はある。

かつて荒川区で店を営んでいた店主の姉が、戦火で焼け出され、新宿に住んでいた叔父を頼って移り、新たに店を構えたのは昭和 23年頃。ラーメンを提供し始めたのは昭和29年からだそうだ。

※下はラーメン+味玉580円

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「若月」のラーメンは、 昨今の奇を衒ったようなダブル、トリプルスープなんて小賢しいものではない。豚ガラ、煮干などから抽出した若干濃い口の醤油スープに、歯ごたえのしっかりした自家製の平打ちの縮れ太麺がよく馴染む。メンマ、焼き豚など、どれもシンプルで、何回いただいても飽きのこない美味しさだ。 それも480円とは頭が下がる。また400円の焼きそばも人気メニューで、廉価とは思えない味わいに痛み入る。

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その他、餃子380円で、小ぶりでカリカリだ。

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「昔に比べるとんみんな大人しい酔っ払いになったね。昔は客同士のケンカや、ラーメンを食べながら寝ちゃって丼に頭をつっこむ人、椅子から転げ落ちる人とか、いろんなお客さんいたけど、今はせいぜい仲間うちの言い合いぐらい、お店をやる分には楽だけど、なんていうか、ちょっと寂しい気がするね」

呑兵衛がたむろする新宿の名所「しょんべん横丁」。戦後間もない頃から、その移り変わりを見てきた主人の言葉に歴史がある。 あまり大きな声じゃ言えないけど、学生の頃この界隈の店に酔っぱらって色々と迷惑をかけてしまった。


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