成増界隈の店はおおよそ訪ねている。他になにか面白い店はないかと駅前を外れ、川越街道を下赤塚方面へ。
その途中で「ナマステ」を発見。
「ネパール料理屋か…」
全国のインド料理屋の従業員の7割はネパール人。それは職探しで山を下り、デリーなどの北インドで料理屋修行をした後、全世界のインド料理屋に散らばっているからだ。しかしここ4、5年、ネパール人のアイデンティティを取り戻すように、自国の料理もインド料理に負けていないと、ネパール料理の看板に書き換えている店を多く見かけるようになった。ただあまりにもそんな店が多く、どこも似たような味なので食傷気味。
他に店が見当たらないので突入した。
「ネパールターリーセットとチキンティッカ1つください」
「ハイ、カラサドウシマス」
「辛口で」
従業員が2名、あまり日本語が通じなかった。
「ハイドウゾ」
手前が骨付きチキンカレー。
左上ジャガイモメインのミックス野菜のアチャール、というよりはサブジーに近い。ダールスープにサグフライ(ほうれん草のサブジー)。ライスにパパドゥ、別皿にチキンティッカだ。
チキンカレーはネパールの極一般的な味付け、肉が細かく骨を取り除くのに難儀する。
ダールスープは輪郭のはっきりした味わいでこれはいい。ただ辛口にしたけど、ほとんど辛くない。
チキンティッカはシンプルな味付けで、ちょいジューシーでいいね。
そしてサグフライ、やや塩気は強めだけどこれメチャメチャ旨い。今まで出合ったことがない代物。おそらく、ターメリックとフェネグリークを入れて塩のみで味付けされたものかな。これは見習いたい。
ライスが独特で、特殊な香り。途中、中学生かな、店の子供が入ってきた。
「これ何ライスかわかります」
「ちょっと待ってくださいね」
流暢な日本語、たぶん日本育ちだろう。
「タイ米のようですね」
とのこと。でもただのタイ米じゃない。粘り感と香ばしい風味からして、これモチ米に近いものかな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都板橋区成増2-5-3グリーンビル1階 電話03-5998-5111
【営業】11時~22時
【休日】不定休
【アクセス】東京メトロ副都心線「地下鉄成増駅」4番出口から徒歩5分 東武東上線「成増駅」南口から徒歩7分