ある日、梅ヶ丘で野暮用を終え、その帰り何気なく参宮橋を下車した。この界隈はまったく用事がなく、数10年は降りた記憶がない。30分ほど徘徊して店を物色。
カレー屋も何軒かるようだけど、どうも食指が動かない。駅前まで戻ってきて一番気になったのが「昇龍」だった。
「いらつしゃいませ」
なんだか感じのいいご主人。店内はやや煮締まった風情で味がある。
カウンター4席、4人席テーブル7卓と広々。客はご隠居や菜っ葉服の労働者がちらほら。
メニューを眺めながら思案。ラーメン、タンメン、カレーライス。う~ん悩むな…。
「黒ごま冷やし麺、暑いからこれもいいな」
果たして黒ごま冷やし麺と餃子をオーダーした。
「はいお待ちどうさま」
冷たい茹でキャベツに麺と焼豚。スープはゴマがたっぷり。美味そう~。
まずはスープを一口。
「サッパリしていいな」
酸味のやや効いた和ダシ風の醤油だれ。
黒ゴマが練り込まれた自家製と思われる中細のやや縮れ麺。
麺を浸してズルズル。暑い時期にはもってこいの麺だね。合間にキャベツをツユに浸してパクリ、これもいい。途中、卓上のラー油をタレに垂らしていただくとピリっとアクセント、これもいい。
焼豚は脂身がほとんどなく、どこかなまり節風情だけど下味が入っていて美味しいね。
餃子の皮は自家製のようだ。モチっとして香ばしい。
飛び抜けた特徴はないものの、肉と野菜のバランス良く何気なく美味しいね。飯田橋「おけ以」の餃子に微かに似ているような。
いずれにしてもこの中華は通いたいな。夜酒を飲みに来るかな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都渋谷区代々木4-6-4 電話03-3370-4889
【営業】11時30分~13時45分 17時〜23時 土1時30分~13時45分
【休日】日・祝
【アクセス】小田急線「参宮橋駅」から徒歩30秒