中国上海「SPARK」のスープカレー


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5,6年前、上海の金持ちから仕事の依頼があった。内容は上海で日式のカレーライスのチェーン店を作りたいとのことで、銀座にある仲介会社を経て僕に依頼が来た。

後日、僕のこしらえたカレーライスが食べたいということで、中国人にも受けるであろうカレーライスを10品ほど、そして付け合せ各種用意し、原宿の「デザインフェスタ」で試食してもらった。

社長を含め上海から来訪した4人は口を揃えてどれも美味しいと絶賛してくれた。

でも中国人とのビジネスは要注意で、台湾人、香港人も騙されるという話、日本人なんて赤子の手をひねるようなものだ。まして被害にあった話をさんざん聞かされている。

例えば中国のある大都市でで、某ビデオレンタルショップに中国から以来があり、駅ビル開発に伴い、出店してくれないかという話。そのビデオレンタルショップは顧客管理をするため、スーパーコンピューターが必要なので揃えたいといったが、現地にはない。そこで大連の政府系大物の口利きで、日本のスーパーコンピューターを輸出したそうだ。その途端、地元の新聞に日本のレンタルビデオ屋が中国にスーパーコンピューターを不正輸出という暴露記事が載り、国外退去、そのコンピューターは没収され、被害額はたしか1億円だったとか。

また同時期にカレーのチェーン店を任された店主が、すべての機器を取り揃え、レシピを提供した途端、また地元新聞にその日本人店主が大連の女性を強姦したという全く嘘の記事が乗せられ、入国を断念。その機材やレシピなど全て没収、被害額は5千万円、なんて話を知っていたのだ。

しかし全てがそうじゃないこともあるので、慎重ではあったが、上海に出向き、その会社の厨房を借りてコックたちに簡単なカレーの作り方を伝授。ものすごく不衛生な厨房で、歯が欠けて切れない包丁、カビの生えたまな板、辟易しながら親身に指導した。

※地元のコックが作ってくれた賄いの昼めし。

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その間、社長に連れられて、

「ここのスープカレー作れますか?」

ということで連れてこられたのが、上海市長寧区水城路のショッピングガーデンの2階に「SPARK」というスープカレー専門店だった。当時、中国全土にスープカレー屋はこの1軒だけだった。

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店内は和風モダン。メニューを眺めるとスープカレー以外にジンギスカン、チーズフォンデュなど。で、いただいたのが「鶏カレー」だったと思う。一口スープをすすると、実にうまい、日本のものと全く遜色がなかった。

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「作れますよ」

と即答。社長おおいに喜ぶ。

この店はすごい繁盛店で、スープカレーは上海人にとって珍しいのだが、実際のところ店に設置されていている「シャワートイレ」を目当てに客が来るらしい。当時上海でシャワートイレがあるパブリック施設は、僕が宿泊した「ホテルニッコー上海」と、もう一件の日系ホテルの2つだけのようだった。なるほどな、って思った。

※これはホテルのシャワートイレ

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これを機に市内を散策し、僕が見つけたカレー屋はインド料理屋が13軒、「CoCo壱番屋」が何軒かあったな。当時の話なので、今はもっと増えていると思う。で、この「SPARK」は2~3年前に閉店、たぶん現地人とのトラブルだろうね。現在別のスープカレー屋がこの店から近い茅台路に「玄」ができたそうだが、友人に聞くと今ひとつのようだ。

それで上海カレー計画はというと、またお話します。


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