足立区の鹿浜は陸の孤島といっても過言じゃない。クルマで行くか西新井駅、赤羽駅、東十条駅からバスでしか行けない、なんとも不便なところだ。徒歩なら舎人ライナーの「西新井太師西駅」から20数分ってとこか。でも、こんな辺鄙なところにも有名店がある。一度は聞いたことがあるだろう「スタミナ苑」という焼肉屋。ここは予約が取れないからいつも行列。滅多に行かないけど、昔「スタミナ苑」に並んでいて目にとまったのが、向かいにある「足立屋」という中華屋だった。
「この古びた中華屋、気になるな~」
初めてこの店に足を踏み入れたのは6、7年前になるだろうか。それから何回がお邪魔しているが、ラーメンとカレーライスばかりで他のメニューを注文したことがない。
また最近久しぶりに訪れた。赤羽からバスに揺られるが、鹿浜と名の付くバス停がいくつかあり迷ってしまう。11時過ぎ、「足立屋」の向かいの「スタミナ苑」では開店に向けて仕込みの真っ最中、いつもの光景だ。
足立屋の店内は中央に長テーブル8席、その左右に4人席が2卓、2人席が1卓とやや広めで、ご家族で切り盛りされている。ボクが初めて訪れた時はラーメン450円だったが50円値上がりして500円、カレーライスは100円値上がりして700円となっている。
客層はご隠居や労働者、サラリーマンでちょい賑わっていた。
「ラーメンとカレーライスお願いします」
10分ほどで提供される。まずはラーメンスープをすすると相変わらず旨い。
醤油の塩気、旨味の塩梅がお見事。チャーシューも下味がしっかり入りこれもいい。中細のストレート麺は滑らかで心地よい喉越しだ。
そして黄金色に佇むカレーライスの色合いに胃袋が唸りだす。日本のカレーライスのプロトタイプといった出で立ちだ。
トロリとしたカレーの舌触り。タップリ玉ネギとわずかな豚肉。穏やかな味付けで輪郭のハッキリとした美味しさ、軽やかな旨味にスプーンが止まらない。福神漬けとの相性のいい味わいだ。途中ソースでちょい味変、これもいいね。
ラーメンやカレーライスばかりじゃなく、次回は炒め物や、他の麺類も試さねば。だけどちょい遠いのでちょくちょくは来れないな~。遠方だけど、旅人の気分でフラっと立ち寄るのが楽しいだろう。
〈店舗データ〉
【住所】東京都足立区鹿浜3–5–15 電話03–3899–5062
【営業】11時~15時 17時~19時
【休日】水
【アクセス】JR「赤羽駅」東口「国際興業バス・赤27系」バスで「鹿浜バス停」から徒歩3分。日暮里・舎人ライナー「西新井太師西駅」から徒歩20分ほど。