池袋「豊田屋三号店」ガヤガヤとした喧騒こそがこの酒場の真骨頂。


この居酒屋に通って30年ほどになるだろうか。この店の向かいが二号店で、池袋駅寄りにあったのが一号店だが、ここは閉店し現在ラーメン屋「萬馬軒」に姿をかえた。

首都高5号線へ繋がる「劇場通り」の西池袋界隈は、区画改正される前は怪しい2階屋の連れ込み宿だらけだった。その頃から「豊田屋」はあったはずだと思う。

ここは1人で楽しむというよりは、仲間とガヤガヤと酒を飲むのに適した酒場だ。

煮〆った店内は大箱で、不思議に天井が高くどこか解放感がある。ここに来るときは友人や仕事仲間が多い。正直1人で飲んでも和めない風情がある。客層はご隠居、男、女同志、カップルと多岐にわたるが、家族連れなど居たためしがない。喫煙可なのでタバコ嫌いは避けた方がいい。男の従業員以外はすべて異国人女性の従業員。

瓶ビールは赤星(サッポロラガー)なので酒飲みにはありがたい。また菊水酒造の「ふなぐち」なんて珍しいものもある。

つまみのメニューは各種焼きとん、ニラ玉、焼きそばなどなど思いつくものはほぼ揃っているので重宝するが、味わいは特筆するものはない。

酒場放浪を趣味とする人々は、味わいの店主、女将の気立て、趣の店構え、乙な酒の肴などがをよしとする傾向にあるが、この店はそうじゃない。猥雑な気配、酒飲みの本性が露になった人々の姿、そのガヤガヤとした喧騒がこの店の魅力だと思う。池袋で仲間と酔いたいときに豊田屋はいい、賑やかさの中に放り込まれるとただただ楽しくなってしまうのだ。

〈店舗データ〉

【住所】東京都豊島区西池袋1-41-2 電話03-3985-0675

【営業】15時~24時

【休日】無休

【アクセス】JR・私鉄・東京メトロ各線「池袋駅」西口から徒歩4分


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