この「餃子家」に出合ったのは、隣の「久松湯」が天然温泉にリニューアルしてからだ。もともとこの風呂屋は町のどこにでもあるありふれた銭湯だったけど、2年ほど前に掘削して温泉を出して新築、その頃から頻繁に通うようになった。露天風呂などがあり心地よく、なおかつ入浴料460円で入れるので重宝している。
ある日、いつもの通りひとっ風呂浴びて、桜台駅に戻り「まるよし商店」で赤玉タンメンを食うはずだったんだけど、この日は住宅街を徘徊したい気分になり、逆方向へ進んだ。
「あれ、こんなところに餃子専門店があったのか…」
一見テイクアウト専門店に見えるが、中を覗くとカウンターがある。
「よっしゃ、一発入ってみっか」
カウンターは6人席と極めて狭小で、40後半ぐらいのご夫婦で切り盛りされている。メニュー表の食欲をそそるレイアウト、餃子の種類も豊富なのだ。
「えーと、焼き餃子と唐辛子餃子で、あっ、これ定食にしてください」
「はい」
ラーメンや炒飯セットなどもあり、その他、海老餃子、小龍包、水餃子もある。
登場したものは綺麗なデコレートで、皮の焼き目も非常に美しい。
一口頬張ると、
「メッチャ旨い!」
小ぶりな餃子の餡は野菜中心だけど、ほどよくジューシーで軽やかな旨味、ニンニクも柔らかく効いていて箸が止まらない。「唐辛子餃子」は皮にレッドペッパーが練り込まれ、餡にも少々のレッドペッパー、こちらにはニラが入っている。
※ちょいピンボケでスマン。
これもいたずらに辛くなく、ほどよい刺激が病みつきにさせられる味わい。旨いね~。焼きは単品で230円、唐辛子は250円と廉価だけど、侮っていた、まったくチープさを感じさせない。いや、むしろ上品な逸品といえる。
いまはやりの肉汁系とは一線を画するもので、昔から日本らしい餃子として綿々と伝わってきた味わいを踏襲しながら、絶妙に進化させた餃子といっていいだろう。何気なく手の込んだ美味しさなんだな。
ちなみにこの定食は700円。帰りに「海老餃子」をテイクアウトして晩ご飯にした。これも美味しかったよ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都練馬区桜台4-32-11 電話03-3992-1601
【営業】11時30分~20時
【休日】火曜日
【アクセス】西武池袋線「桜台駅」北口から徒歩6分