六本木ヒルズ内にある「Mori Arts Center Gallery」で「北斎展」が催されていたので訪れた。40分の行列を経て入場。北斎漫画も面白く、また絵の構図が独特で実に面白い。来てよかった。
その足で日比谷線に乗り「小伝馬町」を下車して、目的の居酒屋「小伝馬」へ。
「え! 貸し切りだって」
仕方ない。連れと人形町まで歩き、前から気になっていた「笹新」へ。
中を覗くと満席。表で10分ほど待つと、2人客で出てきたので突入した。変形コの字のカウンター14席は満席、7人テーブルで他の客と相席した。
「瓶ビール下さい」
店内は蛍光灯ながら実に落ち着く風情。
「いい店だな」
この手の店はご隠居が多いものだけど、カップルと女性客がやたら目立つ。昨今流行っている旅飲みのせいか。また厨房の30半ばの板さんと、フロアーを仕切る東アジア系のお兄さんの接客も素晴らしい。
ビールで乾杯し、まずは「彩り千切りサラダ」370円。これドレッシングがいい。
次に〆サバ630円、真ホッケの昆布〆630円、
ポテサラ370円を注文。
〆サバは〆具合が抜群で、ホッケの昆布〆は滑らかで実に旨い。またポテサラもマヨネーズなどの塩梅がいい。
「どれも美味しいな」
※おちょこのウサギの絵が妙に気に入った。なんだか北斎漫画のようだ。
途中熱燗に切り替える。ガヤガヤとした喧噪の中、酒、肴が緩やかに進む。ここは王子「山田屋」、南千住「丸千葉」、曳舟「かどや」、押上「松竹」、東向島「岩金」、秋葉原「赤津加」に通じる居心地のいい味わいがある。
レモンサワーと熱燗を交互に楽しみながら、
子持ちヤリイカの煮525円、
芝エビ素干し315円、
甘酢赤カブ315円、豆腐の味噌漬け525円を注文。どれも乙な美味しさだ。
一般的にこの手の酒場はカウンターが王道だけど、テーブル席でも不思議に満足できる。
21時頃、客がやっとまばらになる。しかし依然とカウンターには若い女性軍が酒を煽っている。いまどきの女の子たちは、この風情の良さがわかっているようでなによりだ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都中央区日本橋人形町2–20–3 電話03–3668–2456
【営業】17時~22時30分
【休日】日・祝日・毎月第3土曜日
【アクセス】地下鉄日比谷線「人形町駅」A1出口から徒歩2分