あてもなく蕨に降りた。クルマで通ることが多いけど今日は歩き。沿線でこの界隈の雰囲気が一番好きだな。なんか古臭くて妙に落ち着く。
西口にある洋食屋「ワンチーフ」でステーキかハンバーグ、東口の遠方にある「える」でビーフカレーもいいけど、他に店はないかな。と1時間ほどプラプラ。
「あれこんなはずれに中華屋か」
表に2人ばかり並んでいる。人気店なのかな。その列の後ろに付いて待つこと10分ほど。中へ通される。2人席1卓に4人席が3卓。家族連れが多く、相席させてもらった。
初めての店でのファーストチョイスはラーメン、餃子だが、メニューに焼売があると方向性が変わる。
「とりあえず焼売と餃子下さい」
なにかメインを見つけないと。悩んだ挙句「エビそば」をチョイス。ちょっと頼み過ぎかな。
斜向かいに座っている作業員風のオヤジに運ばれてきた焼売を見て、ビックリ。巨大すぎる。そしてチャーハンを見てさらに驚き、デカ過ぎるだろう。不安になった。
「お待ちどうさまです」
セイロに目いっぱいの焼売が3個。直径7cmほどの大きさだ。かぶりつくと実に肉々しい。ほどよい下味が入り、辛子醤油につけるといいね。これ1個で充分だな。
餃子はいたって普通サイズ、安心した。ややパサっとした餡で、下味はなく酢醤油に付けると塩梅がよくなる。とりあえず2個残す。
エビそばは、エビ、白菜、タケノコ、キクラゲの熱々餡。
スープはやや尖った塩味で、ツルンとした中細ストレート麺によく馴染む。
味わいはどれも穏やかだが、なんだか居心地のいい空間。近所にあったら週一で通いたくなるG(引力)を感じるいい中華屋だ。
「すいません、これ持ち帰りできますか」
「は~い」
とお姉さんが焼売と餃子を包んでくれた。
〈店舗データ〉
【住所】埼玉県蕨市塚越2-7-9 電話048-445-0414
【営業】11時~15時 17時~22時30分
【休日】月
【アクセス】JR京浜東北線「蕨駅」東口から徒歩5分