友人のボンボン社長に連れられて「自由が丘」を訪れた。彼の母親の実家のビルにあるテナントが撤退するという。
「飲食店に使えないか見てもらいたいんですよ」
という経緯。工事中の各テナントを視察するが、どの店舗も飲食店には不向きという結論に達した。もうすぐ昼時ということで、彼が実家に寄ったとき、子供の頃からよく訪れていてという老舗の中華料理屋「梅華」を訪れる。
「お勧めは、清湯麺と油のコッテリしている肉そば、それと餃子ですね」
とのこと。店内は明るくちょいカラフルな椅子やテーブル、地元に君臨する老舗中華という毅然とした趣もある。さっそく「清湯麺」(チンタンメン)750円、「肉そば」950円、「餃子」950円を注文した。
登場した清湯麺は、極めて浅い丼。具は、ほうれん草と焼豚1枚のみという潔いデコレーション。この焼豚は紅糟(ホンツァオと読む。餅米、紅米、麹で作ったお酒の酒粕)に漬け込みローストした中国伝統の焼豚だ。スープを一口「旨い!」鶏などのガラを沸騰させずに旨味をゆっくり抽出させた、まさに清湯そのもの。
麺はストレートの細麺は滑らか、アッサリ、サッパリなんだけど、奥深い。この手のラーメンはホテルの中華か、在日中国人が古くからやっている店でしかお目にかかれない。
「肉そば」はまさに油ギッシュだけど、こりゃいいね。おそらく牡蠣油と醤油で味付けしたもので、肉絲麺(ルースーメン)の野菜入りバージョン。力がみなぎる1杯だ。
「餃子」はなんと8個、カリっというよりはモチっとした食感、仄かな甘味と旨味、肉と野菜のバランスがよく絶妙、タレに浸していただくとより美味しいね。
いずれにしても丁寧な仕事、焼きそばも名物のようなので、後日楽しむとするか。
〈店舗データ〉
【住所】東京都目黒区自由が丘1–12–2 電話03–3717–6930
【営業】11時30分~15時30分 17時~23時
【休日】火曜日
【アクセス】東急東横線・大井町線「自由が丘駅」北口から徒歩2分