渋谷道玄坂界隈でランチの時はほとんど店が決まっている。ムルギー、喜楽、カイラス、とりかつチキンかな。
「たまには違う店にしようか…」
そんな気分で神泉駅の南側、円山町をプラプラ。ハンバーグ屋、中華屋など気になる。246に近い外れの横町に「マサカレー」の看板を発見。
「あれ、ここは入ったことがないな…」
で飛び込んだ。店内はカウンター4席のみ。
「いらっしゃいませ、お持ち帰りですか」
「いえ食べていきます」
どうやらテイクアウトの客が多いようだ。ご主人1人で切り盛り、50ちょい過ぎぐらいかな。
「ハーフ&ハーフで」
「はい、福神漬け付けても大丈夫ですか」
「お願いします」
前金制で700円を手渡す。
手前のカレーは僅かなひき肉にムングダールの入った代物。
粘度の高い口当たりで、どこか神保町「まんてん」に似た味わいで穏やかに美味しい。
奥のヒヨコ豆のカレーは、ちょい酸味があり、クミンシードとブラウンマスタードシードが見え隠れ。2品ともホールスパイスや南アジアスの豆を使いながらどこか洋食風に仕上げているのが面白い。
付け合せはニンジンとショウガの酢漬け、これもいい。
「美味しかったです。この店いつ頃開店したんですか?」
「7年前なんですよ」
「ぜんぜん気付きませんでしたよ」
「店が建物の奥なんで、カレーの匂いが表に出ないもんで、誰も気づいてくれないんですよね。ハハハ」
うかがえば、店をやる前は泉岳寺で移動販売をやっていたそうで、店名のマサはご主人の名前らしい。メニューはマサカレーとひよこ豆のみ。ムダも出るだろうけど、日替わりでもう一品あったら嬉しいな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都渋谷区円山町28–8第18宮廷マンション 03–3780–0773
【営業】11時30分~14時
【休日】土・日曜日・祝
【アクセス】京王井の頭線「神泉駅」南口から徒歩3分 東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線「渋谷駅」から徒歩9分 JR山手線「渋谷駅」南口から徒歩10分