板橋「キッチン55」文芸座のようなカレーライスは秀逸の美味しさ。


夕方、池袋で打ち合わせを終えた。酒が飲みたい。西口の「三福」、「ふくろ」、「豊田屋」2号、3号店が頭をよぎったけど、いつも行ってるしな…。埼京線に乗って板橋へ。どこか新しい店はないものか。昔、池袋の映画館「文芸座」そばにあった生ホッピーを飲ませる「べったこ」が、板橋駅に移転して気になっていたので寄るが、どうも入りづらい。板橋駅東口から旧中山道へつながる線路脇の細い路地に「キッチン55」が目に留まる。

覗くと客が2、3人。

「今日はこれから配信ライブなんですよ」

「あっそうですか」

「何かの縁だから入って入って。一杯飲んでいけば」

と誘われそのまま入店した。しばらくするとぞろぞろと常連客が入店し賑やかに。そして配信ライフが始まった。

店のマスター多田さんは石川県のご出身で、1月1日に発生して能登半島地震で被災した方々を元気づけようとのライブらしい。気のいい方ばかりですっかり気に入ったしまった。

後日に訪れるとご高齢の方が1人したたかに酔っていた。地元の歯医者さんらしい。

ハイボールとおつまみの「燻製チーズカレー付き」をオーダー。このカレーが実に旨い。

そしてまた後日の昼に訪門。「文芸座のようなカレー」をオーダーした。

池袋東口に「文芸座」というマニアックな映画を上映する映画館があった。その文芸座の喫茶部でマスターは働いていたらしい。

「昔のカレーを再現したんですね」

「そうです。ちょっとアレンジを加えてますけど」

まずは一口。

「これホント美味しいですね」

軽やかながら深い旨味とコク。具は細かな牛肉と玉ねぎのみ。仄かな酸味と微かな甘みのバランスが見事。

このカレーはヒットだね。聞けば玉ねぎを徹底的に焙煎した自然な甘みで、トマトなどで仄かな酸味を演出しているようだ。

「作ってから翌日に提供するんですよ」

とのこと。カレーを熟成させているようだ。この味わいは湯島「デリー」のコルマカレーに通じるものがあるな。しかし文芸座の喫茶部で、こんなに美味しいカレーを提供していたとはまつたく知らなかった。

ちなみに文芸座は学生の頃たまに訪れていたけど、1997年に閉店し、パチンコ屋「マルハン」が買い取りパチンコ屋に建て直され、その3階で「新文芸座」として現在も生き残っている。まあいずれにしてもこのカレーは秀逸だ。

ハンバーグや生姜焼きもあるのでまた食べに来るか、飲みに来なくちゃ。

〈店舗データ〉

【住所】東京都板橋区滝野川6-86-10 電話03-5948-9503

【営業】8時~20時

【休日】不定休

【アクセス】JR埼京線「板橋駅」東口から徒歩2分


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