最近「千成亭」の前を通りがかったときに「確か麺類が美味しかったな…」とにわかに当時の記憶が蘇った。３０数年前にちょくちょく訪れた中華屋なのだ。
店内はＬ字のカウンター８人席で、２人テーブルが１卓。お母さん１人切り盛り。オヤジさんがいたはずだけど、お亡くなりになられたのかもしれない。
この日はさほど腹も空いていなく「ワンタン麺」７５０円をオーダーした。
ナルトは定番として、カマボコ、伊達巻とはまるで五目そばの様相、その古の絵姿にホロリときてしまった。
スープは旨味、醤油のコントラストがしっかりしていて美味しい。
中細のウェーブ麺はツルンとした舌触りでこれもいい。
焼き豚も下味がほどよく入りいいね。
ワンタンは僅かな具の昔中華のスタイル。チュルンとした食感だ。確か当時はモヤシそばかタンメンばかり食べていたな～。メニューのカレーライス、たぶん一度も食べたことがないはず、気になる。当時はインドカレーばかりに気を取られ、中華屋のカレーは無視していた。
後日再訪。
「カレーライスと餃子ください」
カレーの仕込みは豚肉と玉ねぎを炒め、そこに少量のソートとケチャップ。次にエバラの「マドラスカレー」のルーを入れて仕上げていた。ちょい中華屋のカレーの作り方とは異なる。
そもそもマドラスカレーはややフルーティーな味に加え、ソース、ケチャップが添加されているため、その味わいはフルーティーで軽い酸味と旨味がある。たっぷりの厚切りの豚肉に角切りの玉ねぎの食感がいい。
餃子は下味があるていど入っていて、タレに付けてもそのままでも美味しい。
かつて東十条には半年ほどしか住んでいなかったけど、通っていた店の半分はなくなったしまった。この店もお母さんの代で終わってしまうのかな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都北区中十条３-１４-１０ 電話０３-３９０７-１９８６
【営業】１１時３０分～２１時
【休日】金
【アクセス】ＪＲ京浜東北線「東十条」北口から徒歩３分 ＪＲ埼京線「十条駅」北口から徒歩６分