「日暮里の『鳥真』に集合すること」
と、メールでの通達。日暮里駅の山側、つまり谷中方面へ、「朝倉彫塑館」のある路地を左折すると、すぐ左手に「初音小路」という怪しい袋小路があり、その奥の右手に「鳥真」があった。実は「初音小路」の角にある「一力」というラーメン屋は昔からなじみで、サッパリとしたラーメンの旨い店だったが、オヤジさんが他界。閉店していたものの復活したようだ。しかしこの一角で飲んだことがなかった。
店内はコの字のカウンター8席。ボクは一番乗りだったので、隅っこの焼き場の前を陣取る。なぜか猫が入口脇の椅子にだらりと眠っている。
「あのネコ、周りの店が世話してて、この店の前から住みついてるみたいでね、今じゃ招きネコって感じですね」
と大将。彼はこの店の2階に住んでいるらしく、
「仕込みが楽なんですよ」
串打ちは大変な作業で、通いがない分体は楽だろう。
しばらくすると続々と友人が入店。貸し切りとなっている。
※奥のメガネのピンクシャツは、コラムニストのJ.C.オカザワのオヤジさん。
焼き物の前に「お新香」と「キャベツのサラダ」。定番メニュー以外に、本日の焼き鳥は11種類。
すべてを焼いてもらう。店内はモクモクと煙が立ち込め、いい雰囲気。話し上手な大将の風情も良く、くつろげるいい焼き鳥屋だ。
大ぶりな焼き鳥は何本も食べられないので、好みではないが、ココは別もの。
何本でもいけてしまう。タレの塩梅、塩の加減、火の通し具合がドンピシャ。どれをいただいてもほどよく旨い。いや~、特に皮が練り込まれたツクネが実に美味。
また手羽先の大きいこと、これも美味しいし、トマトは焼き上がりに丁寧に皮をむいてくれるので食感がいい。
途中で、三重県の「清水清三郎商店」の純米酒「穂の智・作」をちょい味見。微かな米麹の香りと仄かな吟醸香が心地よい。
焼き物、全種類を制覇してもうお腹一杯。ちょい隠れ家的焼き鳥屋、ココいい店ですよ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都台東区谷中7-18-1303-3822-1810
【営業】17時頃~23時頃
【休日】不定休
【アクセス】JR山手線{日暮里駅}徒歩4分