巣鴨から地蔵通り商店街を庚申塚方面へ。途中「ファイト餃子」へ寄るが、あまりの行列に敬遠した。久しぶりに「砂田」で白河風ラーメン屋でも食べようと思ったが、その並びにある「東興軒」が目に留まる「まだこの店は入ったことがないな…」といつも思っていた。
店内は2人テーブル1卓、4人テーブル2卓、8人テーブルが1卓のスペース。気の優しい女将さんが給仕。
「ラーメンと餃子おねがいします」
厨房は全く見えないけど、恐らく女将の息子さんが作っているだろうと思われる。
ラーメンはシンプルな出で立ち。まずはスープを一口。
「美味しいな~」
スープは軽やか、柔らかな旨味が充実している。
ややウェーブのかかった細麺はメチャ滑らかな口当たり。
メンマは仄かに甘めで、これアクセント。
餃子はシットリとした餡で軽く下味が入っている。これも旨い。
「これどうぞ」
と金時豆の煮ものが供される。ほどよい甘味でうまい。実にアットホームな風情でいい。またこんなに美味しい店とは思わなかった。そして後日、再訪問した。
「東興ミソラーメンと半炒飯おねがいします」
ニコニコと笑顔のご隠居がビールを飲みながら五目うま煮で過ごしていた。心温まるな。
「はいお待ちどうさま。これミソをほぐしながら食べてね」
ミソをほぐす? よく見るとラーメンの中央に褐色のミソが添えられていた。
「こ、これは! 赤羽にあった『燕京飯店』のミソラーメンのスタイルだ」
成増の「べんてん」の主人も「燕京飯店」をよく知っていて、たまに燕京スタイルのミソラーメンを提供していた。レギュラーメニューでこの手のミソラーメンを見るのは30年ぶりかな。
まずはスープをそのまま、これでも十分に美味しい。
そして褐色のミソを溶いて再びスープを一口。
「メチャメチャ旨い」
サッパリとしながら深いコク。キリっとした美味しさだ。八丁風ミソに見えて、甘そうに見えるがまったく甘くなく実に好感が持てる。美味しいわ~。
具はモヤシ、キャベツ、ニンジン、ピーマンで肉は一切入っていない。このミソのスタイルいいね。
チャーハンはシットリとパラパラの中間と言った感じで、なんだかパクチーの香りを感じる。
いずれにしても東興ミソは優れモノ、このラーメンにはまりそうだ。そして前回同様、小皿に甘く煮た白豆、これも美味しいな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都豊島区巣鴨4-24-4ハイツ野中1階 電話03-3917-8108
【営業】11時~14時
【休日】無休
【アクセス】JR山手線・都営地下鉄三田線「巣鴨駅」から徒歩7分 都電荒川線「庚申塚停留所」から徒歩6分