仙台で一泊し、朝7時半に車で出発。高速「山形自動車道」を進むと、月山の付近で雪に見舞われる。およそ2時間半の道のりで、日本海に面した旅館「琴平荘」にたどり着く。
「何番目ぐらいかな」
2~3時間待ちなんて噂されていて、山形の寒空で行列することを覚悟して重装備。
「あれ! そんなに車止まってないな…」
平日だからか、乗用車が2台。どこに並べばいいのか迷っていると、先客が旅館の中へ入っていったので、その後に続いた。
冬場この旅館はほとんど宿泊客がいないそうで、その閑散期、10月1日から5月31日までの7か月間だけ、客を集めようとラーメンを始めたそうだ。そのラーメンがめっぽう旨いとの噂で、期間中は大賑わいなのだとか。そのラーメンの真贋を確かめるべく遠征に来たのだ。
旅館内に入り、通されたのがだだっ広い宴会場。その入口で整理券を取ると3番だった。
「よしよし、ラッキー」
※表に出るとこんな景色。
4人席のテーブルが14卓、2人席が1卓。窓際のテーブルを陣取ると窓外に日本海の荒波がうかがえる。ゾロゾロと客が入り始め、テーブルとの間の衝立の裏は待ち客で満杯になった。メニューは醤油、塩に加え、平日限定20色の味噌ラーメン。
「とりあえず全部注文しようか」
「そうしましょう」
オーダーしたのは「中華そば」700円、「チューシューメンこってり」850円、「メンマ中華」700円+チャーシュー250円、「中華そば塩」750円+味玉100円、「味噌そば」800円、「ぶっかけ漁師めし」130円の6種類。
まずは「中華そば」のスープを一口。鶏ガラと乾物(アゴとサバの稚魚の煮干しとか)のスッキリとしてほどよい旨味、キリっとした醤油のエッジが立ったバランスのいい味わい。
「確かに美味しいね」
自家製麺は手揉みの縮れ麺、滑らかな舌触りでこれもいい。
「チューシューメンこってり」は、ほどよい脂の加減いい、旨味が際立つ。
「こっちの方が好みだな」
と連れのボンボン社長。確かにこってりの方が、雑味があって上品な醤油味をいい具合に汚している。またロースのチャーシューがほどよく下味が入って柔らかで美味。
「メンマ中華」のメンマは極太と小さめのメンマがこれでもかと大盛り。下味はほどほどで、実に柔らかな歯ごたえだ。
「中華そば塩」は、スルメ、ホタテかな? そんな風味が感じられる。実に美味しい。
「最近食った塩で、これピカイチかもしれない」
と連れの若林。
そして「味噌そば」のスープをすするとメチャメチャ熱々。
「これ純連に似てるな~」
「ホントだ」
表面を覆う油膜がいつまでもスープを冷めさせない。味噌に和山椒が入っているのか、コクがあって奥深い旨味。ストレート麺によく絡みつく。
「この味噌近所にあったら行列できるな」
これは優れもの、平日限定20食、早く来てよかった。
そして「ぶっかけ漁師めし」は、カツオ、ワカメ、海苔など。余計な小細工がない潔い味わいに納得。これを醤油、塩スープにちょい浸していただくとまた旨いんだな。
「遠方からわざわざ来るの理解できるわ」
「来た甲斐がありましたね」
とにかくすべてのラーメンがよくできている。ここの店主は只者じゃない。
会計でお土産のラーメンを買って満福の腹をさすりながら「琴平荘」を後にした。
〈店舗データ〉
【住所】山形県鶴岡市三瀬己381–46 旅館琴平荘 電話 0235-73-3230
【営業】11時~14時
【休日】木(10月1日から翌年5月31日まで営業)
【アクセス】JR羽越本線「三瀬駅」から徒歩約14分 JR羽越本線「小波渡駅」から徒歩約28分
読んでたらどうしようもなく腹が減ったので、生ラーメンを作って食べた。小野ちゃんのブログは夜中に開くもんじゃないな。6時以降は飯を食わないことにしてたのに。今夜は珍しく素面だ。やっぱさみしいな。セブンでも行くかな。
小田急線沿いの店思い出したら、また知らせてください。
先客です!(^ ^)
入館の時からオーラを放っていらっしゃいました!(^ ^)思い切ってお声掛けさせて頂きたかったのですが……
又お会い出来ればと思っています!(^ ^)
先客の方ですか? それは驚きです。帰り村上界隈で「おもだかや」を発見して飛び込みましたが、神田神保町にあった「おもだかや」とはまるで別の店でした。またどこかのラーメン屋さんでお会いすることがありましたら声をかけてください。