芝大神宮へつながる表参道の横丁に「ホルモン焼き夏冬」の看板を掲げる店先で、ランチのカレーメニューを見かけ、突入したのは6年ほど前かな。
「とりあえずどこかでカレーを食べなきゃ」
なんていう義務感だけで、まったく期待していなかったけど、食べて驚かされた。
「ネパール母さんのチキンカリーライス」800円は、具は大きめなニンジンとジャガイモ、骨付きの鶏肉、真っ赤なサラサラなカレーを一口味わうと、深い旨味に加え鋭利な辛味に二日酔いだったけど、一気に目が覚めた。
「メチャメチャ旨い! あれ、なんだかこのカレー、どっかで食べたような感じ…」
記憶を辿るとボクが大好きだった日本橋室町にあった「インド風カリーライス」の味わいにソックリ。その懐かしさに我を忘れ、あっという間に完食。それから随分訪れた、夜に提供される肝心のホルモン焼きは一回も食べたことがないけど。
後に店主の加藤さんに話を伺ったとき「インド風カリーライス」に似ている謎が解けた。彼はかつて三越百貨店に勤めていて、近所にあった「インド風カリーライス」の常連、このカレーファンだったそうだ。
「あの味を再現したくて、ネパールのお姉さんと相談しながら作ったんですよ」
とのことだそうだ。本来「インド風カリーライス」は豚肉だけど、これはこれでよし。この鮮烈なスパイシーさの虜にさせられてしまった。
〈店舗データ〉
【住所】港東京都区芝大門1–8–4電話 03–3431–0552
【営業】月〜金11時30分~13時30分 17時~23時 土・日17時〜23時
※カレーライスはランチのみ
【休日】祝
【アクセス】都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」より徒歩2分 JR山野線・京浜東北線「浜松町駅」から徒歩6分