「一条流がんこラーメン総本家」は西早稲田にあった頃からの知り合いで、月一でやっていた特別メニュー「悪魔」も行列に並んで食べたものだった。その後、早稲田、池袋東口を経て現在の四谷三丁目「杉大門通り」沿いに落ち着いて10年になる。この日訪れると20人ばかりの行列。30分ほど待ったかな。
「あれ珍しいね」
と一条さん。
「たまには」
「なに食べる?」
「いやサッパリわからないので」
「じゃコッテリにしときなよ。青唐入れる?」
「お願いします」
ここは日替わりだったり週替わりだったり、特別メニューだったりと週一で通わなければメニューを把握できない。だからお任せ。メニューでわかるのは200g1100円、300g1200円、400gで1400円だけ。
「このBGM懐かしいだろう」
店内には一条さんが自ら録音した歌謡曲のBGMが流れている。相変わらずのパフォーマーだな。
「小野ちゃんとカラオケ何年行ってないかな」
「10年以上でしょう」
一条さんと最後に飲んだのはコロナ前。高田馬場の立ち飲み屋だ。
「はいよ」
出てきたラーメンはどこか徳島風。
褐色のスープをすするとやや濃い口だけど、いつもの塩っぱさはない。そしてストレートな旨味。
徳島風のバラの煮豚は微かな甘味と醤油の塩辛さがいい。
ややウェーブのかかった中細麺は硬質でどこか札幌の西山風。このラーメンスープに合っている。
ロールのバラチャーシューはトロトロと崩れる。ビリ辛い青唐のアクセントも面白く力強い美味しさだ。いずれにしても味わいの根底にはストレートな旨味とコントラストのはっきりとした塩気。昔と変わらない一条さんらしいラーメンだな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都新宿区舟町4-1メゾンド四谷106
【営業】10時〜14時 土・日・祝9時~12時
【休日】不定休
【アクセス】東京メトロ丸の内線「四谷三丁目駅」3番出口から徒歩3分 都営新宿線「曙橋駅」A4出口から徒歩5分