カレー屋「インディー」を知ったのは10年ほど前かな。この近所に、古いPCや電化製品を無料で引き取ってもらえる「パソコンファーム」があり、よく利用していた。ついでに三郷にある「IKEA」で買い物。そんな時この店を発見した。
「一度電車で行ってみるか…」
4年ぶりになるかな。武蔵野線「吉川美南」って、誰かの名前のような駅名。西口に降り立つと何もない。
用水路の脇道に入ると、ず~っとあぜ道。
「この地図間違ってないよな…店にたどり着けるのかな…」
まあ、のどかでいいね。用水路には鷺が2羽、カメラを近づけると逃げてゆく。20分弱でたどり着いた。
店内は古い喫茶店のような趣き、テーブル4人席6卓あるが、1卓は荷物置き場になっている。30半ばの店員さん「あれ、この人じゃないよな、もっと年配の人だったけど…」。
滅多に来れないので「ドライカレー中辛」1000円と「インディーカレー玉子入り」700円、2皿をオーダーした。
待つこと10分。
まずはコールスローサラダ、これ旨い。うっかりトマトを食べてしまった、本来はトマトのスライス付きだ。
ターメリックライスの片側にドライタイプの豚ひき肉のカレー、その上に粉チーズ、ライスの上に薄っすらとドライパセリ、その美しいデコレーションに見とれてしまう。
カレーはほどよくスパイシーでやや塩辛め、ライスとともに味わえば、口中で混然一体となって旨味が相乗する。これハイチのドライカレーに味わいが似ているね。
「インディーカレー」は新宿紀伊国屋地下の「モンスナック」に似たサラサラな粘度。
具は豚のバラ肉がほんの僅か。ほんのり酸味と甘味があり、どこかウスターソースに似た風情。玉子を溶きほぐしいただくと、円やかに変貌し、大阪なんば「自由軒」の「名物カレー」、高田馬場「玲音」の「玉子カレーごはん」の味わいに近いものがある。
「相変わらず美味しいね」
両方とも結構なボリュームがあり、ちょいライスを残してしまった。
食後にシャーベットいいね。
「ご主人はどちらに?」
「72歳なんで滅多に顔出しませんね、もう引退しようか考えているようで」
「それじゃお兄さんが引き継ぐとか?」
「ええ、そのつもりなんですよ」
と、この方五十嵐さん、37歳。この店は創業から32年になるそうだ。
「しかし駅から歩いてきたんですけど、遠いですね」
「歩きで? 美南駅からですか」
「そうなんですよ、あぜ道を」
「はははそうですか。ここは初めてですか」
「いえいえ、何回も、4年ぶりぐらいかな」
「この間10年ぶりってお客さんいましたよ」
やはりこの店はクルマで来るのがいいね。ところで前に来た時も思ったんだけど、このターメリックライスは炒めないで、炊飯器で炊いたままのものをカレーに合わせた方がもっと美味しくなるような気がする。それを食べてみたいな。
〈店舗データ〉
【住所】埼玉県吉川市木売新田138-6-1 電話0489-82-8249
【営業】11時~14時30分 17時30分~11時30分
【休日】水
【アクセス】JR武蔵野線「吉川美南駅」西口から徒歩16分