この店のカレーライスのことを、折に触れてラジオやテレビで言い続けてきた。この間、インスタグラムのフォロアーの方が、ここの写真を掲載してベタ褒めしていた。
「ああ、今日どうしても東嶋屋のカレーライス食いて~」
そんな衝動に駆られ、鶯谷からてくてく、東嶋屋の暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ」
カレーライスはすっかり人気メニューになったようで、
「数量限定、黄色いライスカレーはかけるだけの普通のカレーライスとは違い、ご注文後、一つ一つ手作りでお作りしてますので、混雑時には少々お時間を頂戴する場合がございます。ご了承ください」
と張り紙。
「カレーライス下さい」
10分ほどで待望のカレーライスの登場。お盆にはカレーライスと共に水入りコップにスプーン、ウスターソースと定番の絵姿。相変わらず潔い黄色いコントラストのデコレーションに胃袋が唸り出す。そして一口。
「熱っち~、やっぱ旨いな~」
舌が火傷しそうなほど熱々。出汁は効かせているようだが、蕎麦のカエシではなく、塩で味を整えているとか。嫌味な甘さは一切なく、素朴な味わいだけど、これがサイコーに旨い。トロミ加減も滑らかで、わずかな玉ねぎと豚肉、これもいい。
途中福神漬けとともに味わうと、酸味がちょい効いてカレーの味わいが鮮明に。
またソースを垂らすと同様の効果がある。でもそのまま食べるのが一番いいな。あっという間に完食。
しかし蕎麦屋なのに塩で味を整えているなんて、よく思いついたものだなって感心してしまう。ちょい変な言い回しだけど、このカレーライス、南インドのサンバルやラッサムの潔さに似た気高さを感じるのはボクだけだろうか。
〈店舗データ〉
【住所】東京都台東区竜泉1–29–3 電話03–3872–6261
【営業】11時15分~20時45分
【休日】日・祝
【アクセス】地下鉄日比谷線「三ノ輪」駅1b出口から徒歩7分 地下鉄日比谷線「入谷駅」3番で口から徒歩7分
【喫煙】可