前回紹介した仙台青葉区一番町の居酒屋「なかなか」で盛り上がったあと、お邪魔した。この店に来る前に界隈を徘徊していて2番目に気になっていた店を目指す。怪しい路地の一角にある焼肉屋「白頭山」の暖簾をくぐると、70半ばの笑顔のおばちゃんが出迎えてくれた。
「いらっしゃい。好きなところに座って」
肉やホルモンの煙で燻されて茶色く煮染った店内は、なんとも味わいがある。
右手にカウンター3席ほど、そこに客が1人。板の間はわりと広く適当なところを陣取る。
メニューは壁に貼ってあるだけ、とりあえずビールで乾杯。
「カルビ、ホルモン、ミノ、キムチ1人前ずつください」
「は~い」
常連だろうか、カウンターの客が楽しそうにおばちゃんと語り合っている。
「これ1人前かよ!」
「やたらボリュームあるな」
「この盛りで950円ですよ」
瀬戸の深皿に盛られたカルビとホルモン、その絵姿が美しい。肉質や味わいもほどよく実に美味。次に「ミノ」が運ばれてくるが持ってきたのは常連のカウンターのお兄さん。
「すいません」
「いえいえ、ゆっくりしていって下さい」
ミノの上には新鮮なナス、その上に白ゴマが散りばめられて、これまた食欲をそそるデコレーション。一口いただくとこれも美味。だけど、
「もう腹に入らないよ」
2軒目なので腹がパンパンだ。途中焼酎の梅割りに切り替える。
「この酒効くわ~」
しばらくするとぞろぞろと学生が入ってくる。
「食べかけですけど、よかったらこれどうぞ」
とミノをお裾分け。
「ありがとうございます」
煙がモクモクと立ち込めるなかで、ひたすら酒を煽る。
「この店いいですね」
「だね。近所にあったら通っちゃうな」
「明日早いからこのぐらいにしておくか…」
お勘定をすると3000円ちょっと。
「安!」
わざわざおばちゃんが見送りに出てきてくれたので写真をパチリ。
「どこからいらしたの」
「東京です」
「あらま~。わざわざありがとね」
このおばちゃん大好きだ。
〈店舗データ〉
【住所】宮城県仙台市青葉区一番町4-1-17 電話022–222–6808
【営業】18時~23時ぐらいかな
【休日】休日不明
【アクセス】仙台市営地下鉄南北線「広瀬通駅」西5番出口から徒歩2分