「ねぎま鍋」がメニューにある店は数少ない。
僕がもっぱら利用している中野の「路傍」という居酒屋に置いてあるんだけど、これ旨いのよ。老舗割烹の「ねぎま鍋」ってどんなものなのか食べてみたくなり、日本橋人形町、昭和2年創業の「よし梅」に予約を入れた。
「ねぎま鍋梅コース」11000円を選択。個室に通され、とりあえずビール。しばらく待つと、先付、八寸、刺身、揚物と並び、待望の「ねぎま鍋」を仲居さんが仕込んでくれる。上品な薄口の汁で熱々のマグロをいただくと、うん、旨い。
「これ刺身で食べられますよね」
「ええ、お客さんみんなおっしゃいますよ、そのまま食べたいって」
これ本マグロの中トロのようで、確かにそのまま食べたい衝動に駆られる、けど鍋でいただく。〆は雑炊、香物、デザートとなる。
美味しいけど、正直、赤身のマグロで、もう少し醤油の効いた味付けのほうがしっくりくるような気がする。これも経験だ。