五反田東口駅前の極めて怪しい横丁に、老舗洋食の「グリルエフ」がある。蔦の絡まる趣のある外観、店内も重厚感があり、歴史を感じる佇まいだ。ビーフシチュー、タンシチュー、カニコロッケ、ポークソテーなど、何をいただいても文句なし。
珍しいのはポークやチキンのエスカロップがある。これは北海道根室の名物洋食で、バターライスまたはケチャップライスの上にカツをのせ、その上にデミグラスソースをかけた代物。東京でこのメニューを出しているのは曳舟「洋食あきら」と人形町の和食屋「ふうれん」かな、あと何軒かあると思う。
この日は人気メニュー「ハヤシライス」1300円と、
「ハンバーグステーキ」1300円をオーダーした。食い過ぎじゃないかって思われるけど、どうしても両方食べたかったのだ。当然ライスやパンは頼んでいないよ。
ハヤシライスは一般的にソースが主体のところが多いけど、ここはたっぷりの牛肉とタマネギ、肉の旨みが溶け込んだデミグラスソースは深い旨みで塩加減ジャスト、相変わらずの凄旨、ライスが進む。
洋食屋ではだいたい、ハンバーグは両面をソテーしてオーブンに入れて焼き上げるけど、ここは蓋をしてじっくり蒸し焼き。この方法だとグレービーが流れ出て、パサパサになっちゃうんだけど、これがどこかクリスピーでふっくらとしている、こりゃ技術がいる。ほどよく肉汁溢れ、やや塩気少なめなデミグラスソースとのバランスがいい。実に美味。隣の客が食べている「カニクリームコロッケ」、やっぱ美味しそう、いや美味しいんだよね。ここに来ると色々なものを注文したくなってしまう。数人で訪れてシェアしていただくのがいいね。
〈店舗データ〉
【住所】品川区東五反田1-13-9 電話03–3441–2902
【営業】11時~14時 17時~20時40分
【休日】日・祝
【アクセス】JR山手線「五反田駅」東口から徒歩1分 都営浅草線五反田駅A5出口から徒歩1分 東急池上線「五反田駅」から徒歩2分