ちゃんこ鍋で感動した店は、鶯谷の「玉勝」、錦糸町の「琴ヶ梅」かな。相撲の街である両国には数多くのちゃんこ鍋屋がある。その中でも「川崎」がピカイチと知り合いからの情報だった。
4人からしか予約が取れないとこと。ツレと2人、6時ジャストに到着。かろうじてカウンター2席が空いていた。間に合った。
実に風情のある門構え。戦後に建て替えられてようだが、店内は燻し銀の趣。右手にカウンター6席。その他は座敷とテーブル席になっている。
「鍋2人前お願いします」
焼き鳥などのつまみはあるが、2軒目を考えていたので頼まなかった。
まずはアサヒスーパードライでカンパイ。
仲居さんが鳥スープに鶏もも、レバー、砂肝などを入れ、素早く白菜などを乗せて蓋をして強火に。熱燗に切り替えて煮えるのをしばし待つ。
昨今のちゃんこ屋の鍋はツミレなどのデコレーションが派手だか、この鍋は実に質素。
スープを一口味わうと、これがいいダシ。旨味充実で塩気がドンピシャ。
「このスープ旨いわ~」
「これね鶏だけで炊いたダシなんですよ」
と話し上手なご主人。
具は鶏各種のほか、白菜、焼き豆腐、油揚げ、大根、ささがきゴボウ、人参、ネギ。そして極細の縮れシラタキ、これが旨いね。
「うどんか雑炊ご用意できますけど」
「いえ、実は2軒目がありましてこのぐらいで」
「そうですか」
〆の雑炊は格別だけど、これを食べてしまったら次の店でつまみが食べられない。断念した。
しかし残ったスープを飲み始めたら止まらず、全部飲み干してしまった。結局満腹になって止まった。
「ごちさそうさまでした」
お腹を減らすために浅草橋まで歩いて2軒目へ向かったのだ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都墨田区両国2-13-1 電話03-3631-2529
【営業】17時~21時
【休日】日・祝
【アクセス】JR総武線「両国駅」西口から徒歩3分