昨年の12月末にオープンした「魂の中華そば」は、進化し続けている。開店当初は製麺屋の麺を使い、バラの焼豚、極細の板メンマ、スープは時間短縮を図り、圧力釜を使用していた。これで充分に美味しかったけど、今回訪れたらさらに美味しくなっていた。
店主はスープが乳化し過ぎることを懸念し、圧力釜をやめて寸胴でゆっくりと旨味を抽出するスタイルに変え、製麺機を購入して自家製麺を始めていた。
「製麺機の置き場所に困ってたんですけど、店内のストッカーを表に出して、そこに置くことにしたんですよ」
と席の後ろを振り返ると、布を被せてカムフラージュさせた製麺機があった。
「開店当初から製麺機買っておけば良かったって、ちょっと後悔しています」
自家製麺にしてからコストが若干抑えられたため、当時800円だった「中華そば」は700円、「つけ麺」は750円に値下げした。素晴らしい心構えだ。
また「中華そば」の麺は220グラムとボリュームアップ、「つけ麺」は280グラムとなっている。
「中華そば」はちょいストロークの長い中太のストレート、ツルツルシコシコで喉越しいいね。市販の麺とは比べ物にならないほど美味しく仕上がっている。また焼豚は大きめな肩ロースに変え、真ん中にナルト、ビジュアルいいね。メンマは普通の大きさに戻しているが、これもちゃんとした板メンマだ。スープは乾物のほのかに香るガラの旨みの効いた力強い味わい。旨いね~。
「つけ麺」は、酸味、甘味、旨味のバランスが抜群、自家製麺の良さがよく伝わる逸品となった。
「麺作りはまだ試行錯誤している段階ですね、もっともっといいもの作りたいですね」
と店主。美味しいものを作りたいという情熱がひしひしと伝わってくる。
夜は、透明感のある純粋な清湯で作った「しょうゆらーめん」680円は、昔ながらの中華そばをホウフツとさせる味わいながら、骨格のしっかりとした美味しさ。
また「ざるらーめん」730円は、サッパリとしてこれもいい。
〈店舗データ〉
【住所】東京都板橋区上板橋1-25-10 電話03-6906-6082
【営業】11時30分~14時30分 18時~20時
【休日】月曜日・第2、4日曜日
【アクセス】東武東上線「上板橋駅」南口から徒歩2分