クルマでの宇都宮出張の帰り、餃子ばかり食べていたので、蕎麦が無性に恋しくなり、たまたま通りがかり、入ったのがこの店との出合いだった。10数年前のこと。それから気に入って、近くに来た時は蕎麦やカレー丼、カツ丼ばかり食べていた。
「そういえば、カレーライスあったけど、食べたことなかったな…」
とふと気づき、久し振りに訪れた。店内は年季の入った燻し銀の風情。70前後のご夫婦で切り盛りされている。客層は近隣に務めるサラリーマン、菜っ葉服を着た労働者などだ。
「カレーライスともりのセットお願いします」
このセットは850円、安いね。カレーライスの具はほどよい量の豚肉とタップリの玉ねぎ。
まっ黄色に佇む色合いのカレー。南アジア(インド周辺各国)、東南アジアのカレーばかり食べてきたけど、鮭がふる里の川を遡上(そじょう)するように、この手のカレーが無性に恋しくなってきた。原点回帰しているワケじゃなく、昔ながらのカレーの奥深さが理解できるようになってきたということ。
ほどよい塩加減、軽やかな旨味、ほんの僅かに感じるスパイシーさ、穏やかに旨いんだな。
このカレーにはウスターソースがよくマッチするし、福神漬けもバッチリの相性。
この文章書いていたらまた食いたくなってきてしまった。
〈店舗データ〉
【住所】東京都豊島区千早4–2–1電話03–3957–6067
【営業】11時~15時30分 17時30分~19時
【休日】土曜日
【アクセス】地下鉄有楽町線・副都心線「千川駅」から徒歩8分 西武池袋線「東長崎駅」北口から徒歩12分