「パクチー入れますか? ニンニク入れますか?」
どこかで聞き覚えのあるセリフ。そうだ「ラーメン二郎」の「ニンニク入れますか?」だ。
まさかカレー屋でこのセリフを投げかけられるとは思わなかった。
ある日、西武新宿線「上石神井」を徘徊しているとき、どこからかスパイスのいい香りが漂ってきた。
「どこかの店だろう?」
とあたりをキョロキョロ、通りの角の店からだ。店名は「analog.」オープン前だった。中を覗くと40チョイ前ぐらいの青年が、忙しく仕込みをしている。
「12時なのにまだ開店してないのか。これカレー屋かな…」
店主が扉を開けてくれた。
「まだ仕込み終わってないんですけど、どうぞ」
店内は極めて狭小で、カウンター5席のみ。業務用のギャバンのスパイス各種が無造作に山積み、大きなアルミの調理鍋、ウォーマーなど。10分ほどすると開店。
「本日は辛口チキンカレーとバジルチキンです。単品か相がけもできます」
「それじゃハーフ&ハーフでお願いします」
注文をし終わると次々に客が押し寄せる。仕事ぶりは丁寧だ。
「ご飯このくらいでいいですか?」
と見せられたご飯の量、丼3杯弱ほどのボリュームに驚き、
「その半分ぐらいでいいです」
「パクチー、ニンニク入れますか?」
「えっ! あっ、はい入れてください」
なんだ! ニンニク入れますかって、「ラーメン二郎」かよ。でも興味津々。
で登場したのがご覧のもの。
「バジルチキン」はカレーではなく、鶏とバジル、筍などをナンプラーで味付けしたタイ料理だった。
「辛口チキンカレー」は洋食カレーの風情で鶏、人参、じゃがいも、カレーはドロドロと粘性があるが、これ小麦後じゃなくて、ジャガイモの澱粉などで、自然についたものかもね。その両方に生ニンニクの微塵切りがデコレートされている。
カレーをまずのままいただくとコクがありながら軽やかな口当たりで、様々なスパイスが配合されているようだけど、どれも突出せずバランス良し、非常に旨い。バジルチキンはナンプラーがちょい強めに効いているのでやや塩辛いが、これも実に美味だ。次に、ニンニクと共にカレーを一口。生のニンニクと一緒にカレーを食べた経験はいままでなかったけど、これ意外に合うね~、驚きだ。
ご飯を半分にしてもらったけど、それでもかなりの量で超満腹。
「美味しかったです、また来ますね」
「ありがとうございます」
非常に感じのいい店主。帰りの道すがら、口の中がタンドリーチキンに変化していた。面白いね~、チキンカレーに生ニンニク入れるとタンドリーチキンになることを発見して、なんだか嬉しくなってしまった。
〈店舗データ〉
【住所】練馬区上石神井1-13-7 電話なし
【営業】ツイッターで告知「http://twitter.com/analog_official」昼やっているとすれば12時過ぎぐらいから14時ぐらいまで。夜やっているとしたら19時ぐらいから22時ぐらいまで。いずれにしてもまちまち。
【休日】ツイッターで告知
【アクセス】西武新宿線「上石神井駅」南口から徒歩2分