西新宿「トップ」喫茶店のアイデアトースト


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「ここのサーディンのトーストと、タラコのコッドローがたまんなくいいんだよ」 とサラリーマン時代、全共闘世代の先輩に連れられて初めて「トップ」を訪れた。

「これこれ、食べてみな」

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やや厚切りで小ぶりなトーストの上にオイルサーディン、トーストのサクっとした歯ざわり、しっとりとした旨味のあるイワシとの相性がいい。ちょいとレモンを振りかけて、いただけばまた旨い。合間にピクルスをつまんでまたパクリ(現在はピクルスはなくなった)、

「これいいわ」

「だろう、なかなか乙だろう」

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と次にコッドローはトーストのサクっとした歯ざわりの中に、フワっとした蒸しタラコマヨネーズの食感、これもしっくりきた。

「特別なものを組み合わせているわけじゃないけど、これってアイデアですね」

「そうそう、なんてことはないんだけど、よく考えたよな」

小腹が空いた営業途中のサラリーマンには丁度いいボリュームで、仲間たちでよく「トップ」を利用し、トースト類をつまんでは疲れた体を癒していた。

いまでこそカフェスタイルの喫茶店でも、ちょいと変わった軽食メニューを数多く揃えるようになったけど、どうもしっくりこない。サンドウィッチや菓子パンなど、たぶん、すべて出来合いのものばかりだからだ。 「サーディントーストは昔からのお客様がよく注文されるんですよ」 と店長。うーん、僕は昔の人になってしまったようだ。この新宿店は1968年オープンで、すでに50年近くの歴史がある。カフェスタイルの喫茶店が増える中、純粋な喫茶店は、最近見かけなくなってきた、大事にしたい。また、 マイノリティーにされてしまった喫煙者も、ここでは堂々とタバコが吸えるので、安心して利用してもらいたい。


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