洋服のリフォームで渋谷を訪れたときに見つけた店で、いつの間にか評判になり、今では行列する人気店になっている。
この日も洋服の直しを取り行くため渋谷へ。9時ジャスト、すでに3人並んでいた。
30分ほどで店内へ。L字のカウンター8席で「bar&…miiiii」というダイニングバーを昼間間借りしているようだ。
ネジリハチマキ姿の、かつおちゃんと呼ばれる元気なお姉さんが出迎えてくれる。メニューは2種類「かつおめしごはん」800円と「かつお食堂ごはん」1000円の2種類。
「どうします」
「かつお食堂ごはんで」
「は~い。今日の鰹節は鹿児島指宿の坂井商店のものです」
力を込めて鰹節を削りながら、鰹を釣った実体験や、現在使っている燕三条の削り節器の話など、情熱を込めて語る。極めて面白い人で、鰹節オタクとでも言おうか、まるで鰹節に取り憑かれているようだ。
「ごはんはどのくらい?」
「普通でお願いします」
おひつからご飯をよそい、中央に生卵の黄身と潮鰹をあしらい、その上にタップリの削りたての鰹節。そして浅漬けのキュウリ、だし巻き玉子に具だくさんの味噌汁。
黄身に振られた潮鰹とは、鰹を塩漬けにしてから乾燥させたものらしい。
「この鰹節ほんのりピンク色でしょう、これ坂井商店の特徴なんです」
まずは削り節をそのままいただく。削りたてはやはり風味がいい。そしてご飯とともに、旨い。
卵の黄身を溶いてまたパクリ、これも旨い。卓上の醤油をかけるとさらに旨い。
「その醤油、中に割った鰹節を入れてるんですよ」
よ~く見ると確かに鰹節の塊が、なにもかもが徹底している。だし巻きも美味しく、浅漬けのキュウリも爽やか、味噌汁は穏やかな塩加減だ。
「追い鰹お願いします」
途中、鰹がなくなりお願いすると、再び鰹節をかけてくれるサービスだ。いいね。ああ、もっと食べたいな、ご飯5杯はいけそうなんだけどな。
「美味しかったですよ」
「有難うございます。花鰹の一日を」
花鰹の一日を? たぶん良き一日を、ということなのだろう。しかしかつおちゃんは元気だな。
たまに行ってもやってないことがあるので、店のツイッターかインスタで事前に確認した方がいいだろう。
〈店舗データ〉
【住所】東京都渋谷区渋谷1–6–4TheNeat青山1階
【営業】水~金9時~12時
【休日】月・火・土・日・祝
【アクセス】JR各線「渋谷駅」中央改札から徒歩6分 私鉄・地下鉄各線「渋谷駅」13aから徒歩4分