元祖 カレー研究家 小野員裕

神保町「TAKEUCHI」デコレーションの美しい創作カレー

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神保町の飲食店が軒を連ねる路地に、静かに佇む「TAKEUCHI」は、いつ行っても行列だ。ご夫婦で切り盛りされているようだ。

ご主人は「鉄オタ(鉄道マニア)」なのか、店内には鉄道グッズが飾られている。

最初に訪れたときにいただいたのが「シーフードカレー」。

洋食の手法でこしらえたカレーで、ソースは濃厚にして魚介の旨味たっぷり。これが嫌味な甘さが一切なくて実に好感が持てる。そしてデコレートの美しさ、

またたっぶりの具が山盛りのけんちん風味噌汁、そこに懐かしの醤油ラーメンのごとく、小さなナルトがちょこんとデコレートされて可愛いね。

再訪して「煮込みハンバーグカレーソース」をチョイス。デミソースも選べる。

ライスは茶碗で供され、まるで仏壇に備える仏飯(ぶっぱん)のようにてんこ盛り、その上に梅干、その下には黒ゴマとアラレが振りかけられている。ハンバーグカレーは彩の野菜、じゃがいも、山芋、さつま芋などが盛りだくさん。

ハンバーグは煮込みと謳っているけど、おそらく煮込まれていない、だからふっくらとしてジューシーこれ旨い。カレーソースは酸味の効いた洋食風のオーソドックスなソースで、特筆するものはないけど、「シーフード」同様、クミンシードの粒が隠れていて、丁寧に作られているのがうかがえる。

この店がもてはやされているのは、デコレートのパフォーマンスが優れていることと、タップリの野菜、そしてボリューム。だから男女問わず、人気を博しているのだろう。

実にいい店だ。