東武東上線「川越市駅」、西武新宿線「本川越駅」の間に「ぽか羅」が誕生して5年弱。といっても国分寺や新所沢で店をやっていたようで、その歴史は結構長い。
川越のカレーを語る上で外せないのが「カレーキッチンジャワ」。「ジャワカレー」と「欧風カレー」の2種類を用意し、トッピングメニューが極めて豊富で、ボリューム満点、味わいはどこかフルーティーで深いコクに彩られていて、いつも賑わっていた。だけど2013年11月に惜しまれつつ閉店。川越っ子の一種ソウルフードでもあった。
この「カレーキッチンジャワ」の閉店の1年ほど前に「ぽか羅」が現れ、しばらくすると人気を極める。実に2年ぶりの訪問、店主は60ちょいといったところで、その風貌はどこか中東やパキスタン人のようなエキゾチックな容姿。店内はカウンター7席に5人席のテーブルが1卓。メニューは「チキン」、「梅チキン」、「チキンカツ」、「野菜」、「チキン野菜」、「チーズハンバーグ」、「キーマナス」、「キーマコフタ」「チキンビリヤーニ」の9種類。
この日は「ぽか羅」の基本がわかる「チキンカレー」850円に茹で玉子60円、辛口を注文した。まずはサラダ、そしてカレーの登場となる。
茹で玉子が綺麗にデコレート、褐色のカレーに鶏肉がゴロンと4つ、ターメリックライスに水菜があしらわれた美しい絵姿だ。カレーを一口「旨い!」、仄かに微かにフルーティーで、いい塩加減、ほどよい旨味、まるで裏ごしをしたかのような残滓(ざんし)のないサラサラソース。どのスパイスも突出することなくパランスがいい。なんだか新橋の「ザ・カリ」と湯島の「デリー」、浅草の「夢屋」のカレーのいいとこ取りをしてブラシュアップ、いや、穏やかに仕上げた感じ。
ちょい固めのターメリックライス、ソースの染みた柔らかなチキンもいい。付け合せの大根のアチャール、みじん切りのキュウリの塩漬けと一緒にいただくとまた美味しい。これはよく完成された逸品だ。
日本にカレーがもたらされておよそ140年。インド、アジアンエスニック、原理主義のカレーでもなく、試行錯誤の末にたどり着いた日本スタイルの極まったスパイスカレーと言っていい。ちょい遠いけど、やっぱ来た甲斐がある。この店が近くにあった週3で通っちゃうな。
〈店舗データ〉
【住所】埼玉県川越市中原町2–14–12 電話049–226–3255
【営業】月・木~土11時30分~14時30分 17時30分~20時45分 第2火・第4火11時30分~14時30分 17時30分~20時30分 日・祝11時30分~16時
【休日】水・第1、第3、第5火曜日
【アクセス】西武新宿線「本川越」・東武東上線「川越市駅」から徒歩4分 東武東上線「川越駅」からは徒歩15分くらい。