元祖 カレー研究家 小野員裕

白河「とら食堂」あの味の感動は何処へ! たまたまこの日だけに限ってスープの仕上がりがイマイチだったのか?

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山形の旅を終えて某ラーメン屋の店主と店長の3人で福島県白河へ。

「ここ来るの何年ぶりかな?」

「オレも久しぶりっスね」

「白河なんて初めてですよ」

「とにかく旨いから、楽しみだな」

美しい田園に囲まれた「とら食堂」に到着すると開店前から相変わらずの行列。

店内はだだっ広く、天井も吹き抜けになっていて心地いい。3人ワンタン麺を注文。

待つこと10分ほど、登場したのがご覧のものだ。

黄金色に佇むスープ、焼豚はローストしたもの、ほどよく具の光沢のワンタン。麺も喜多方、会津若松に見られる平打の縮れ麺、ビジュアルがいいね。

そして一口、う~ん……。

途中で、刻み玉ねぎ、ラー油をちょいかけていただく。焼豚の舌触り味付けは文句なし、ワンタンもチュルチュルでいいんだけどな~。

3人ただ黙々と食べ続ける。行列は続き、次から次へと客が絶えない。完食して表に出ると稲穂が美しい。

「なあ、どうだった?」

「前に食べた感動がないですね」

「だよな。どうしちゃったのかな? 決定的にダシが薄いのと、塩分が足りないよな」

「町田の『一番いちばん』、三河島の『にゃがにゃが亭』のほうがもっとしっくるくるんスけど」

「そうだな…」

あの感動は何処へ、なんでこんな味になっちゃったのかな。もっとも、月一で通っているわけじゃないので、たまたまこの日がこんな調子だったのかもしれない。

3人腑に落ちない心持ちで帰路に着くのだった。

〈店舗データ〉

【住所】福島県白河市双葉滝ノ尻1 電話10248-22-3426

【営業】11時~14時30分(土・日14時) 16時~18時

【休日】月曜日・たまに火曜日も

【アクセス】JR東北本線「白河駅」からタクシーで5分