元祖 カレー研究家 小野員裕

新橋「ザ・カリ」行列必死のカレー専門店

IMG_1842

新橋烏森口から徒歩7分。繁華街の喧噪からちょいと離れた立地ながら、カレーマニアに絶大な人気を博す「ザ・カリ」は、近隣のOL、サラリーマン、遠方からの来客で日々賑わっている。店内はコの字型のカウンター10席のみ。昼時は行列必至だ。

店主、島田昭二さんは、スパイスなどの卸業、都内でインド料理屋の経営を経た後、およそ20年前にこの店をオープンさせた。

「当初このビーフカレーはマトンだったんですがね、苦手な方が多くて、急遽ビーフに変えたら途端に人気が出ましてね……」

人気を二分するややマイルドなチキンカレーとの差別化を図る目的で、茶褐色な色合いをほどこし、カイエンペッパー、ブラックペッパーなどで鋭利な辛味を強調している。

手間暇かけたその渾身のビーフカレーを一口頬張ると、茶褐色のソースはサラサラとしたスープ風情ながら、凝縮した旨味に驚かされるだろう。ひしてじわじわと辛味が口中に広がり、にわかに汗がにじみ出る。付け合わせのクミン、コリアンダーの風味が効いたジャガイモを合間にいただきまた一口、柔らかな肩ロースの牛肉にソースが染みわたり実に旨い。辛口が苦手な向きには、チキンをお勧めする。